校地・校舎の継承
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 01:43 UTC 版)
新制大学移行後も多くの国立大学では、前身校以来のキャンパスを引き継いだため、いわゆる蛸足大学と呼ばれる状態が続いた。これを解消するため高度経済成長のなか、積極的にキャンパスの統合移転が行われた。このため旧高商(経専)の後身校では、多くの場合旧制時代以来の校地・建造物が失われる結果となった。 現在も旧制時代の校地で後身校の学生が学んでいるのは、一橋大学(旧東京商科大)、大阪市立大学(旧大阪商科大)、神戸大学(旧神戸商業大)のいわゆる「旧三商大」のほか、長崎大学(旧長崎高商)、小樽商科大学(旧小樽高商)、滋賀大学(旧彦根高商)、香川大学(旧高松高商)の4大学である。(ただし旧三商大は戦前の旧制大学昇格前後に一度校地を移転しており、高商創立時代以来の校地を継承しているのは厳密に言えばその他の4大学のみ)。これらのなかでも単独で新制大学に移行した一橋大および小樽商科大、単独移行には失敗したものの教養から専門までの4年間すべてを他学部と交わらずに彦根の単一学部だけで授業とクラブ・サークル活動を行う滋賀大経済学部などは旧高商の面影を色濃く伝えている。 高商以来の建造物としては、旧・長崎高商では長崎大学片淵キャンパスの拱橋(明治36年築)・倉庫(明治40年築)・瓊林会館(旧高商研究館、大正8年築)、旧・彦根高商では滋賀大学彦根キャンパスの講堂(大正13年築)・陵水会館(昭和13年築)が現存する。また、一橋大、神戸大、大阪市大のキャンパスには移転後の旧制商大時代の建物がいくつか現存し、各大学を象徴する建物となっている(以上、画像参照)。
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