栗山町図書館とは? わかりやすく解説

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栗山町図書館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/15 07:58 UTC 版)

栗山町立図書館
栗山町図書館の外観
施設情報
専門分野 総合
事業主体 栗山町
管理運営 特定非営利団体法人くりやま(指定管理者)
開館 1998年(昭和63年)6月
所在地 069-1511
栗山町中央3丁目309番地
位置 北緯43度03分25秒 東経141度46分47秒 / 北緯43.05694度 東経141.77972度 / 43.05694; 141.77972座標: 北緯43度03分25秒 東経141度46分47秒 / 北緯43.05694度 東経141.77972度 / 43.05694; 141.77972
統計・組織情報
蔵書数 15万9901冊(2023年3月時点)
貸出数 6万1376点(2023年)
貸出者数 1万5098冊(2023年)
年運営費 5497万4千円(2023年)
条例 栗山町図書館条例
職員数 14(教育委員会1、職員7、臨時6)
公式サイト https://library.town.kuriyama.hokkaido.jp/TOSHOW/asp/index.aspx
地図
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
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栗山町図書館(くりやまちょうとしょかん)は、北海道夕張郡栗山町中央3丁目に所在する公立図書館1988年昭和63年)に開館。約16万冊の蔵書数を数え、「移動図書館」や「電子図書館」といった取り組みも行っている[1]指定管理者特定非営利活動法人くりやま[2][3]

沿革

1988年(昭和63年)6月1日に栗山町開基100年記念事業としてオープンした。中央公園公民館図書室から本格的な「知蓄積=町民力の向上」「専門・情報」「生きるまちづくり課題解決」の使命を持った図書館として生まれ変わり、開館時のテープカットには、栗山町、栗山町議会、栗山町教育委員会関係者など100人余りが参加。初代館長である山本精のほか職員4名体制でスタートした[3]

1998年平成10年)6月9日、北海道内で初めてとなる複製名画の貸出を始めた。初日と2日目はピカソの「ゲルニカ」とゴッホの「アイリス」が貸し出された[4]

1999年(平成11年)10月20日、インターネットで自宅パソコンから館内の図書情報が調べられる検索サービスを始めた。空知総合振興局管内では美唄市幌加内町(現・上川総合振興局管内)、新十津川町に次いで4カ所目となる[5]

2008年(平成20年)4月、開館20年の節目に規制緩和の流れのなかで、先進図書館として「利用者から~みんなが公共の担い手へ」のスタートを目指し、指定管理者として「特定非営利活動法人くりやま」が、図書館長を除くすべての管理運営へと移行した[3]

2012年(平成24年)1月、元町民であった小林八重子の遺族により寄付を受け児童書など購入し「小林八重子記念文庫」と名付け、貸し出しを始めた[6]

2023年令和5年)11月に館内で飲食や会話、休憩、勉強などでの使用可能な「コミュニティスペース」が館内にオープンした[7][8]

移動図書館「くりくり号」

1991年(平成3年)4月、毎週金曜、第2・4水曜と木曜に、移動図書館「くりくり号」が児童施設を中心に町内各所へ巡回を開始した[9]。同年10月には、栗山工業団地にもステーションを増設し、日中に仕事で図書館を利用できない人の環境を整備。車内には小説や実用書、子ども向けの絵本など約2,200冊の本を揃えてており、2012年(平成24年)に移動図書館車に更新した[1][9]2024年(令和6年)4月現在では、栗山町内を4コース(Aコース・5カ所、Bコース・5カ所、Cコース・1カ所、栗小コース・2カ所、計13か所)に、分けて巡回している。

栗山ふるさと文庫(栗山の史実民話)

ふるさと文庫

2002年(平成14年)4月、町内に暮らす人の生き様を聞き取り、記録化・読み物化する冊子「栗山ふるさと文庫」を館長・阿部敏夫の提言により刊行。話者は140を超える栗山町民、聞き取りは図書館利用のボランティアが行った[3]。2023年(令和5年)3月の20号の刊行を最後に休止している[10]

電子図書館

新型コロナウイルス感染拡大に緊急事態宣言下において「宅配サービスだけでは図書館本来の役割を果たすことができない」と判断し、2020年(令和2年)6月頃から電子図書館の導入を検討。2021年(令和3年)8月1日北海道の導入自治体では11番目となる[11]「栗山町電子図書館」をスタートした[11]。2024年(令和6年)4月現在で蔵書数は12,616冊[10]

特徴

図書館には約16万冊の本を置いており、本の貸出のほか、本館ではAVコーナーや乳幼児スペースがある。分室として町内に角田図書室と継立図書室があり、児童向けの本を多く揃えている[3]

開館当初は2万7000冊の蔵書であったが、1991年(平成3年)度には6万8000冊、利用登録者が4000人となり、年間貸出数も町民1人当たり6.1冊となった。2009年(平成21年)度には蔵書14万4000冊に整備され、利用者も6万9229人と増加した。2017年(平成25年)度の蔵書数は15万7000冊となっているが、利用者は4万1563人と減少している[3]

ブックスタートとミニくりプロジェクト

2002年(平成14年)6月、1歳児未満を持つ親に、読み聞かせを体験できる絵本をプレゼントする「ブックスタート」事業を開始した。また、2004年(平成16年)6月には、「ミニくりプロジェクト」と称し、30冊の本を台車付きの木製木箱(ミニくり号)に積載して各学校を巡回する「児童図書学校巡回事業」と、図書館司書が週1回学校図書室を訪問して、本の整理や分類のほかテーマに沿って本を紹介する「司書派遣事業」を実施した。一連の事業が評価され2007年(平成19年)4月に「子どもの読書活動優秀実践図書館」として文部科学省大臣表彰を受けた[3]

読み聞かせ「栗の子」

1984年(昭和59年)4月に「本の読み聞かせ町民講座」の受講者が「栗の子童話会」を発足し、地域での読み聞かせや紙芝居、人形劇や読書祭り、青空図書館、くりの子クリスマス会、親子読書会などを実施しており、子どもたちの読書活動を啓発している。2010年(平成22年)4月から、会の名称を「おはなしボランティア『栗の子』」に改称した。2005年(平成17年)には管内教育実践表彰、2011年(平成23年)に、北日本図書館連盟の事業功労者表彰を受賞した[3]

ふきのとう読書会

1976年(昭和51)年4月に栗山町教育委員会の呼び掛けで発足した読書グループであり、自主的な読書会を開催するほか、図書館事業への協力、会報や文集などを発行し地域の読書普及に貢献した。2020年(令和2年)時点で、定例読書会と会報発行は400回を超え、年1度の「文学の度」や記念文集を発行。2003年(平成15年)北海道読書推進運動協議会「優良読書グループ北海道表彰」を受賞した[3]

詳細情報

年表

[2]

  • 1988年(昭和63年)4月 - 栗山町図書館条例公布[12]
  • 1988年(昭和63年)6月 - 栗山町図書館オープン
  • 1991年(平成3年)1月 - 移動図書館車の名称を公募により「くりくり号」となる
  • 1991年(平成3年)4月 - 「くりくり号」14カ所のステーションで巡回開始
  • 1997年(平成9年)3月 - 第1回ブックマラソン開始
  • 1997年(平成9年)5月 - 北海道立図書館とネットワーク化
  • 1998年(平成10年)6月 - 複製名画貸出開始[6]
  • 1999年(平成11年)6月 - 本の宅配「ふくろう便」(郵送貸出)の開始
  • 1999年(平成11年)6月 - 毎週木曜日・夜間開館開始
  • 1999年(平成11年)10月 - ホームページの開設
  • 2000年(平成12年)6月 - 栗山町図書館と角田図書室、継立図書室のオンライン化
  • 2001年(平成13年)4月 - 水曜おはなし会開始
  • 2001年(平成13年)11月 - 児童コーナー等を改修した図書館のオープン
  • 2002年(平成14年)3月 - 栗山の史実・民話「栗山ふるさと文庫」第一巻の発刊
  • 2008年(平成20年)4月 - 指定管理者制度へ移行し、特定非営利活動法人くりやまが管理運営
  • 2011年(平成23年)9月 - 栗山町子どもの読書活動推進計画策定
  • 2011年(平成23年)1月 - 小林八重子文庫設置[6]
  • 2016年(平成28年)4月 - 学校図書館専門司書配置、第二次栗山町子どもの読書活動推進計画策定[13]
  • 2018年(平成30年)9月 - 北海道胆振東部地震により臨時休館・短縮開館(9月6日~9月11日)
  • 2020年(令和2年)2月 - 新型コロナウィルス対策町施策により臨時休館(2/27~3/1)
  • 2020年(令和2年)3月 - 新型コロナウイルス対策臨時図書宅配サービス「にこにこツバメ便」(3月12日~3月31日)[11]
  • 2020年(令和2年)4月 - 新型コロナウィルス対策町施策により臨時休館(4/18~5/18)
  • 2020年(令和2年)4月 - 臨時図書宅配サービス「大人もにこにこツバメ便 はいぱー!」(4/18~5/31日)[11]
  • 2020年(令和2年)7月 - Wi-Fi一般開放
  • 2020年(令和2年)7月 - 文化講演会「萩鵜アキ講演会&サイン会」[14]
  • 2020年(令和2年)10月 - ハッピーハロウィンライブラリー開催[15]
  • 2021年(令和3年)5月 - 新型コロナウィルス対策町施策により臨時休館(5月17日~6月20日)
  • 2021年(令和3年)5月 - 臨時図書宅配サービス「ツバメ便 はいぱー!」(6月1日~6月20日)
  • 2021年(令和3年)8月 - 電子図書館運用開始[11]
  • 2023年(令和5年)4月 - 第3次栗山町子どもの読書活動推進計画策定
  • 2023年(令和5年)11月 - コミュニティスペース稼働[8]

受賞歴

  • 2003年(平成15年) - 優良読書グループ北海道表彰(北海道読書推進運動協議会):ふきのとう読書会[3]
  • 2005年(平成17年) - 管内教育実践表彰(北海道教育委員会):読み聞かせ「栗の子」[3]
  • 2007年(平成19年) - 子どもの読書活動優秀実践図書館(文部科学省)[3][16][17]
  • 2008年(平成20年) - 町教育委員会表彰(栗山町):読み聞かせ「栗の子」[3]
  • 2010年(平成23年) - 図書館法制定60周年記念・図書館賞表彰(文部科学省)[2]
  • 2011年(平成23年) - 事業功労者表彰(北日本図書館連盟):読み聞かせ「栗の子」[3]
  • 2014年(平成26年) - ふるさと文庫編集委員表彰(北日本図書館連盟)[2]

図書館蔵書数と利用者数等

[3]

年度 蔵書数(冊) 館内利用者数 貸出数(冊)
一般 学生 計(人)
1990年(平成2年) 68,697 20,864 37,539 58,403 98,903
1995年(平成7年) 104,015 34,401 37,147 71,548 106,592
2000年(平成12年) 139,283 42,638 34,686 77,324 120,923
2005年(平成17年) 163,118 45,327 25,125 70,452 109,337
2009年(平成21年) 144,148 49,489 19,740 69,229 168,060
2010年(平成22年) 144,963 45,337 25,444 70,781 169,907
2011年(平成23年) 151,236 32,408 19,567 51,975 122,845
2012年(平成24年) 154,205 35,641 16,175 51,816 124,412
2013年(平成25年) 154,233 35,842 14,606 50,448 120,394
2014年(平成26年) 160,492 26,760 8,186 34,946 101,230
2015年(平成27年) 156,984 32,443 9,639 42,082 103,654
2016年(平成28年) 157,966 36,734 10,079 46,813 101,445
2017年(平成29年) 157,805 32,830 8,733 41,563 95,736
2018年(平成30年) 158,418 40,551 11,717 52,268 88,056

施設概要

栗山町図書館

[10]

  • 住所 - 〒069-1511 北海道夕張郡栗山町中央3丁目309
  • 開館日 - 10:00 - 18:00(木曜は10:00 - 20:00)
  • 休館日 - 毎週月曜、祝日、年末年始
  • 工期 - 着工:1987年(昭和62年)9月3日 完成:1988年(昭和63年)3月19日
  • 開設 - 1988年(昭和63年)6月1日
  • 構造 - 鉄筋コンクリート造平屋建
  • 面積 - 1,066.045㎡
  • 施設内容 - 受付カウンター、閲覧室(成人・児童)、視聴覚研修室、ロビー、ブラウジングロビー、閉架書庫、ブックモービル車庫、図書館返却ポスト[3]

角田図書館

[10]

  • 住所 - 〒069-1524 栗山町角田157番地1(農村環境改善センター2F)
  • 開館日 - 毎週水曜・木曜・金曜・土曜
  • 開館時間 - 13:00 - 17:00
  • 開設日 - 1988年(昭和63年)6月1日

継立図書室

[10]

  • 住所 - 〒068-0353 栗山町継立176番地8(南部公民館2F)
  • 開館日 - 毎週水曜・木曜・金曜・土曜
  • 開館時間 - 13:00 - 17:00
  • 開設日 - 1988年(昭和63年)6月1日

移動図書館「くりくり号」

[10]

  • 巡回時間
    • 毎週金曜日 - 12:00から17:00
    • 毎月第2・4水曜日 - 14:00から14:30
    • 毎月第2・4木曜日 - 13:00から16:00
  • 巡回場所 - 4コース13ステーション運行開始[18]
  1. Aコース
    1. めぐみこども園
    2. 雨煙別消防署
    3. 総合福祉センターしゃるる
    4. 角田小学校
    5. 桜山自然の家
  2. Bコース
    1. 工業団地
    2. 日出生活館
    3. 継立まつば保育園
    4. 継立小学校
    5. 御園公民館
  3. Cコース
    1. マロンキッズ保育園
  4. 栗小コース
    1. 総合福祉センターしゃるる
    2. 栗山小学校
  • 運行開始 - 1991年(平成3年)4月17日
  • 車種 - 日野リエッセⅡ(2012年(平成24年)3月車両入替)
  • 積載量 - 2,200冊

脚注

  1. ^ a b すべての人にその本を、すべての本にその人を”. 栗山町. 2025年2月3日閲覧。
  2. ^ a b c d “Ⅰ.図書館の概要”. 栗山町図書館年報~令和5年度(2023年)実績~ (栗山町図書館): 2-5. (2024-8). https://library.town.kuriyama.hokkaido.jp/toshow/pdf/R5年度図書館年報.pdf. 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 栗山町史編さん委員会『栗山町史』栗山町、2022年3月31日、453-456頁。 
  4. ^ 「<かわかぜ>栗山町図書館は九日から、道内で初めて複製名画の貸し出しを始めた。」『北海道新聞』1998/06/11 (木)、朝刊地方(空知)、21面。
  5. ^ 「蔵書検索 自宅でOK*栗山町図書館*ホームページを開設」『北海道新聞』1999/10/21 (木)、朝刊地方(空知)、22面。
  6. ^ a b c 「元町民の寄付で記念文庫が誕生*町図書館」『北海道新聞』2012/01/14 (土)、朝刊地方(空知)、26面。
  7. ^ 伊藤昴 (2023年11月1日). “#16 私たちの” 推し本” あなたに届け 本と私が過ごす日々|とくしゅう”. くりやまのおと. 2025年2月3日閲覧。
  8. ^ a b 栗山町図書館|コミュニティスペース”. 栗山町. 2025年2月3日閲覧。
  9. ^ a b 望月貴文 (2021年12月24日). “#5 本を借りる選択肢(1/2)|まちのこと”. くりやまのおと. 2025年2月3日閲覧。
  10. ^ a b c d e f “Ⅱ.施設の概要”. 栗山町図書館年報~令和5年度(2023年)実績~ (栗山町図書館): 7-9. (2024-8). https://library.town.kuriyama.hokkaido.jp/toshow/pdf/R5年度図書館年報.pdf. 
  11. ^ a b c d e 望月貴文 (2021年12月30日). “#6 本を借りる選択肢(2/2)|まちのこと”. くりやまのおと. 2025年2月3日閲覧。
  12. ^ 栗山町図書館条例”. 栗山町. 2025年2月3日閲覧。
  13. ^ “表紙”. 第二次栗山町子どもの読書活動推進計画 (栗山町教育委員会): 1. (2018-4). https://library.town.kuriyama.hokkaido.jp/toshow/pdf/H28読書推進計画.pdf. 
  14. ^ ネット小説作家として活躍*萩鵜アキさん講演会”. 栗山町. 2025年2月3日閲覧。
  15. ^ 「ハロウィーン仮装 楽しもう*栗山町図書館でもイベント 29日」『北海道新聞』2020/10/20 (火)、朝刊地方(空知)、14面。
  16. ^ 「町図書館に文科相表彰*学校との連携評価*栗山」『北海道新聞』2007/05/11 (金)、朝刊地方(空知)、27面。
  17. ^ 「読書活動優秀実践校 稚内・声問小など表彰」『北海道新聞』2007/04/18 (水)、朝刊全道(社会) 切抜 32ページ 250文字。
  18. ^ 栗山町移動図書館 くりくり号巡回のご案内”. 2025年2月3日閲覧。

外部リンク




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