枕ばね支持機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/29 08:12 UTC 版)
「国鉄DT32形台車」の記事における「枕ばね支持機構」の解説
ベローズ式あるいはダイアフラム式空気ばねによる、インダイレクトマウント式の枕ばね装置を備える。 インダイレクトマウント式は空気ばね台車の開発過程で考案された、軽量化のために揺れ枕機構を省略した枕ばね支持方式の一つである。 この方式では車体の荷重は心皿 → 枕梁 → 枕ばね → 側枠 → 軸箱支持装置の順に伝達され、牽引力は心皿 → 枕梁 → ボルスタアンカー → 側枠 → 軸箱支持装置の順に伝達される。 このうち、枕梁直上にあって車体と台車の回転軸の軸受を担当する心皿については、直径を大きくとって大型化し、また軸受側の形状を工夫して摺動面積を拡大することで台車の回転を抑制、直進安定性を高め、台車の2次蛇行動発生を抑止する、大径心皿構造となっている。 この構造は1959年(昭和34年)の川崎車輌OK-22・東急車輛製造TS-313(京浜急行電鉄デハ1000形電車 (初代))および1960年(昭和35年)の川崎車輌OK-23・OK-24(山陽電気鉄道2000系電車)といくつかの私鉄向け台車などで既に採用例があった。 国鉄では検修設備などの制約により、ダイレクトマウント式の採用が困難であったことから、保守の作業性に配慮しつつ、乗り心地改善に効果があり、しかも揺れ枕廃止により台車重量の軽量化が達成できる次善の策として、この方式が採用されたと見られる。 なお、本形式およびTR69では側受が省略されているほか、DT23系と同様、空気ばねを採用したことによるロール剛性の低下を補い、乗り心地の改善を図ることを目的として、揺れ枕装置下部にトーションバーによるアンチローリング装置を標準搭載している。
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