東急撤退、単独運行へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 00:18 UTC 版)
「ミルキーウェイ (高速バス)」の記事における「東急撤退、単独運行へ」の解説
東急と各社が共同運行していた4路線は、いずれも乗車率は悪くなかったと思われる。現在でも各路線とも度々増車される場合が多いほか、出雲市線「スサノオ号」ではダブルデッカー車(三菱ふそう・エアロキング)が導入されたことからも需要の高さが伺える。しかし夜行高速バスの運行コストは年々増大していく一方であり、特に東急の場合は人件費率がネックとなった。このため、東急では乗車率は高くても利益はさほど出ない状態であった。首都圏の他社が運行していた夜行高速バスでも地方側の単独運行となったり、子会社に移管(例:京王帝都電鉄→西東京バス)された路線が多かった。 このような情勢もあり、東急バスは1998年9月限りでの夜行高速バスからの全面撤退を決定、まずは1996年6月15日運行便をもって酒田線から撤退、その後も1998年7月1日運行便をもって神戸・姫路線と出雲市線から撤退、残る和歌山線も同年9月30日運行便をもって撤退し、東急高速バス「ミルキーウェイ」は消滅した。余剰となった車両のうち、車齢の若い車両は、共同運行していた神姫バスや東急グループの宗谷バス(特急わっかない号で使用)・北海道北見バス(ドリーミントオホーツク号・特急釧北号で使用)に譲渡された。 「ミルキーウェイ」からの撤退後、東急バスの運行する高速道路経由路線は、空港連絡バス(リムジンバス)、たまプラーザ駅 - 東京ディズニーリゾート間、深夜急行バス「ミッドナイト・アロー」、通勤高速バス"TOKYU E-Liner"(虹が丘営業所 → 渋谷駅)、および溝の口駅 - 新横浜駅間の直行バスにとどまっており、中長距離の本格的な高速バスの運行は「ミルキーウェイ」撤退後暫くの間行っていなかった。 2014年3月1日より東急トランセが富士急湘南バスとの共同運行でセンター北駅・たまプラーザ駅 ~ 富士急ハイランド・河口湖駅・富士山五合目線とセンター北駅・たまプラーザ駅 ~ 御殿場プレミアム・アウトレット線の運行を開始、その後も2014年12月1日にやはり富士急湘南バスと共同運行で、渋谷マークシティ・二子玉川駅 - 富士急御殿場車庫・富士急ハイランド・河口湖駅・富士山駅線の運行を開始したため、事実上の再参入となった。 そして、2016年4月15日には瀬戸内運輸(せとうちバス)が単独運行する夜行高速バス「パイレーツ号」(品川・浜松町 - 新居浜・今治)に東急トランセが参入し、同時に渋谷マークシティ・二子玉川駅(二子玉川ライズ楽天クリムゾンハウス) - 新居浜・今治間の運行に変更された。東急バスグループとしては和歌山線からの撤退・経路変更以来、18年ぶりの夜行高速バス再参入となった。
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