未来予想図の提示、合意形成ツールとしてのロードマップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/25 06:06 UTC 版)
「ロードマップ」の記事における「未来予想図の提示、合意形成ツールとしてのロードマップ」の解説
ロードマップに対する関心は、アメリカの半導体業界が、全米半導体技術ロードマップを作成した1993年ごろから、徐々に高まりはじめた。その後、全米半導体技術ロードマップが、国際半導体技術ロードマップへと進化し、ひと通りの成功をおさめたことから、従来目標管理が難しいと考えられた科学技術に関するマネージメントのみならず、プロジェクトマネージメント(特にトップダウン型のプロジェクトマネージメント)全般においてきわめて有効だと認知されるようになった。 特に、半導体素子の微細化のように、難易度が高く、規模が大きいプロジェクトでは、半導体メーカー以外にも、素子製造のために用いる装置を作るメーカー、材料メーカー、検査装置メーカーのように半導体メーカー側から見て売り手に属する企業や、パソコン、携帯電話メーカー等、客側に属するメーカーに至るまで、開発面、資金面において強固な結束が必要であり、大学や研究所には先行した研究を促す必要がある。概して、これらの組織の利害は、必ずしも一致するとは限らない。そのため、協調体制を取るためには、明確なビジョンが必要となる。国際半導体技術ロードマップではこのような目的(合意形成ツール)のために使われる。 目標達成にかかわる要因が極めて多い大規模のプロジェクトでは、大まかな目標、戦略に関するスケジュールを示す「ロードマップ本体」の作成に関する行動と、具体的な小目標とその達成のための戦術を示す行動が分離できるため、巨大プロジェクトにおけるトップダウン型のマネージメントが可能となる。さらに、その達成目標関係する要員に、指針を与えることもできる。また、市場やスポンサー、一般大衆に公約を提示、実現可能性の評価を行うための資料としても有効に活用され資金調達にも一役買う。
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