未成年者と社会参加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 05:55 UTC 版)
小学生段階では、社会参加などまだ遠い未来の課題として把握される。従って、「将来何になりたいか」と尋ねても、「野球選手」「宇宙飛行士」など、非現実的な回答が返ってくる場合が多い。 中学生段階になると、社会参加の方法が、現実的な課題として浮上する。従来は進路指導と呼ばれていたものが、現在では授業の一環としてボランティアや職業体験が行なわれるなど、学習だけしていればいい、という従来の姿勢よりも積極的な意義を認められている。 高校生段階になると、進路決定がなされる。高校3年の進路相談が、その人の人生を決定付けると言っても過言ではない。本人の希望と適性を考慮する、と言われるが、実際には適性を重視し、収まれる場所に収めてしまおう、という傾向があるようだ。そして大学受験で初めて人生の現実と向き合うことになる。合格した大学が上位の大学,中堅の大学,下位の大学である場合を比較すると、統計的にはその後の人生のあり方も大きく異なってくることが広く知られているためである。特に世間的に一目置かれるようなエリート職に就きたければ上位の大学を卒業していることが殆ど必須要件となっている。芸能人やスポーツ選手などは高校生の段階までに志望あるいはデビューする例が多いため、既に自ら職業訓練に取り組んでいるという点で一般的なロールモデルからは大きく外れることになる。 大学生ともなれば社会参加は目前に迫ってくる。しかしこの段階でも社会参加の方向性が決まっていない者が大半を占める。特別な才能(各分野で最低でも国内で最上級の水準の才能,あるいは他人には到底真似できないような固有な才能)が無い限り、起業家や研究者などになることは出来ず、一般企業の社員として凡庸な能力でも務まる仕事に就くことになるが、分不相応な夢を持ち続けて現実への適応に失敗し、社会の底辺に転落する者も多数存在する。
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