木村資生とは? わかりやすく解説

木村資生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/31 19:53 UTC 版)

木村 資生
岡崎市せきれいホールの敷地内にある木村の銅像
生誕 1924年11月13日
日本愛知県岡崎市菅生町
死没 (1994-11-13) 1994年11月13日(70歳没)
日本静岡県三島市
出身校 ウィスコンシン大学
博士課程
指導教員
ジェームス・F・クロー英語版
他の指導教員 シューアル・ライト木原均
主な業績 中立進化説の提唱、進化生物学集団遺伝学への貢献
主な受賞歴
プロジェクト:人物伝
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木村 資生(きむら もとお、1924年大正13年〉11月13日 - 1994年平成6年〉11月13日)は、日本集団遺伝学者。中立進化説を提唱した。日本人で唯一ダーウィン・メダルを受賞。また、パフィオペディラムの育種家としても知られる[1]学位は、理学博士大阪大学・1956年)。国立遺伝学研究所名誉教授。日本学士院会員。文化功労者文化勲章受章。岡崎市名誉市民

略歴

中立進化説

中立進化説とは、分子レベルの進化ダーウィン的な「サバイバル・オブ・ザ・フィッテスト(fittest)」(適者生存)だけではなく、生存に有利でも不利でもない中立的な変化で「サバイバル・オブ・ザ・ラッキエスト(luckiest)」、すなわち、たまたま幸運に恵まれたものも残っていくという学説である。中立説は発表当初多くの批判を浴び世界的な論争を引き起こした。その後、この説は広く認められるようになり、現代進化論の一部となっている。

受賞歴

栄典

主な著書

翻訳

論文

進化学振興木村資生基金

木村資生の業績をたたえ、2004年12月にスズキ株式会社の基金寄附によって設立された公益信託[12]。日本進化学会学会賞の受賞者などを候補として木村資生記念学術賞(木村賞)を授与し[13]、また進化学に関連する講演会などに対して助成を行っている[14]。また2016年より隔年でKimura Motoo Award(木村資生国際賞)の授与を行っている。

脚注

  1. ^ 生命詩研究館サイエンティストライブラリー特別編:木村資生
  2. ^ a b “ダーウィンを超えた日本人 故木村資生博士 3月4日・故郷岡崎で「基金」初の講演会開催”. 東海愛知新聞. (2006年1月28日). https://web.archive.org/web/20141222225510/http://www.763.fm/2006tokai/060128.html 2014年11月7日閲覧。 
  3. ^ 木村資生著『生物進化を考える』岩波書店《岩波新書(新赤版)19》 1988年 はしがきの1ページ
  4. ^ 木村資生著『生物進化を考える』岩波書店《岩波新書(新赤版)19》 1988年 はしがきの2ページ
  5. ^ 博士論文書誌データベース
  6. ^ Kimura, Motoo (1968). “Evolutionary rate at the molecular level” (– {{{1}}}). Nature 217 (5129): 624–626. Bibcode1968Natur.217..624K. doi:10.1038/217624a0. PMID 5637732. http://www.blackwellpublishing.com/ridley/classictexts/kimura.pdf. 
  7. ^ a b c 木村資生”. 愛知県総合教育センター. 2024年12月31日閲覧。
  8. ^ "Kimura; Motoo (1924 - 1994)". Record (英語). The Royal Society. 2011年12月11日閲覧
  9. ^ Crow, James F. (1995). “Motoo Kimura (1924–1994)”. Genetics 140 (1): 1-5. Bibcode1995JMolE..40..709J. doi:10.1007/BF00160522. PMC 1206539. PMID 7635277. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1206539/pdf/ge14011.pdf. 
  10. ^ 朝日賞 1971-2000年度”. 朝日新聞社. 2022年8月31日閲覧。
  11. ^ 国際生物学賞”. 日本学術振興会. 2022年8月31日閲覧。
  12. ^ スズキの財団活動等” (pdf). スズキ株式会社. 2019年12月26日閲覧。
  13. ^ 過去の受賞者”. 公益信託進化学振興木村資生基金. 2019年12月26日閲覧。
  14. ^ 過去の援助先”. 公益信託進化学振興木村資生基金. 2019年12月26日閲覧。

参考文献

  • Nei, M. (1995). "Motoo Kimura (1924-1994)". Molecular Biology and Evolution 12 (5): 719–722. PMID 7476119.
  • Crow, James F. (1995). "Motoo Kimura (1924-1994)". Genetics 140 (1): 1–5. PMC 1206539. PMID 7635277
  • Watterson, G. (1996). "Motoo Kimura's Use of Diffusion Theory in Population Genetics". Theoretical Population Biology 49 (2): 154–188. doi:10.1006/tpbi.1996.0010. PMID 8813021.
  • Crow, J. (1996). "Memories of Motô". Theoretical Population Biology 49 (2): 122–127. doi:10.1006/tpbi.1996.0006. PMID 8813018.
  • Steen, T. Y. (1996). "Always an eccentric?: A brief biography of Motoo Kimura". Journal of Genetics 75: 19–01. doi:10.1007/BF02931748.
  • Jukes (2000). The Neutral Theory of Molecular Evolution. Genetics 154(3): 956-958.

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