有線と無線の通信方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 16:21 UTC 版)
「モールス符号」の記事における「有線と無線の通信方法」の解説
20世紀初頭に、電波を断続してモールス符号を送受する無線電信が実用化された。 有線電信と比較すると、送信のための電鍵操作は基本的に同一であるが、受信の方法は両者で異なる。 有線電信では、音響器を用いた聴覚による受信方法が基本である。 電流が流れ始めた時と断たれた時に衝撃音が発せられるので、これの音調と間隔により短点と長点を判別する。 無線電信においても(最初期以外は)聴覚受信が行われてきたが、短点と長点は持続音で表現され有線電信のカタカタ音とは異なる。 そのため有線と無線の通信士では訓練課程も異なることが多く、どちらか片方の操作だけに従事するのが普通だったが、有線モールスの後期においては電信信号でブザー(持続音)を鳴らすことにより、無線通信士も従事できるようになった。また有線通信士をこのブザー通信に習熟させ、無線通信士に転換するかも?軍事通信では有線と無線が混在する場合が多く、特に地上戦では通信兵はどちらも操作できる必要があった。 ブザーのほかに、低周波発振器を直流電信信号で制御する機器もある。実例 「日本陸軍 九五式電信機」 無線のモールス通信には混信や雑音もあり、信号だけが受信できる場合は稀であるが、SN比がマイナス、つまり信号強度のほうが小さい場合も、熟練者なら目的の信号音を聞き分けられる。無線電話やデータ通信は到底行えないような通信環境でも、最低限の情報交換が可能であり、モールス通信が21世紀の今日でも使われるのは、これが理由である。
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