更なる包括化の進展
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「エアランド・バトル」の記事における「更なる包括化の進展」の解説
1991年の湾岸戦争において、アメリカ合衆国と有志連合は、ALBの原理を活用してイラク軍を撃破した。しかし1980年代末から1990年代初頭にかけて、冷戦の終結とソビエト連邦の崩壊に伴って戦略環境は激変しており、アメリカ陸軍は、マルチハザード化およびグローバル化に伴う任務の多様化への対応を迫られていた。 これに応じて、早速1993年には基準教範の再改訂がおこなわれ、ALBをも包含するコンセプトとして全次元作戦(Full-dimensional operations, FDO)が提示された。これは欧州正面のように既に前方展開されている地域だけでなく、アメリカ合衆国本土からの展開が求められる地域をも想定するとともに、戦争以外の軍事作戦(MOOTW)をも織り込んでおり、具体性に欠けるとの批判はあったものの、その後のコンセプト/ドクトリン深化のための布石となった。また1990年代のソマリア、ハイチ(英語版)、ボスニア、コソボなどの経験を踏まえた2001年の基準教範の再改訂では、更に包括的な全スペクトラム作戦 (Full-spectrum operations, FSO) のドクトリンが導入され、2008年版でも維持された。その後、アフガニスタンやイラクでの経験を踏まえた2011年の改訂では、統合地上作戦(Unified Land Operations, ULO)へと発展した。 一方、陸軍がイラク、アフガニスタンに集中せざるを得ない状況の下、2009年に海・空軍が共同で研究に着手したのが「エアシー・バトル」(Air-Sea Battle, ASB)コンセプトであった。2010年の4年毎の国防見直し(QDR)においても対中戦略の一環としてこのASBが挙げられている。これはその後、ULOの後継となるドクトリンであるマルチドメイン作戦(MDO)に組み込まれた。
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