普通敎育とは? わかりやすく解説

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ふつう‐きょういく〔‐ケウイク〕【普通教育】

読み方:ふつうきょういく

人間として、また一般社会人として必要と思われる知識能力を養うために行われる教育一般に小・中学校および高等学校普通課程教育をさす。


普通教育

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/17 02:58 UTC 版)

普通教育(ふつうきょういく、: universal education)とは、全国民共通の一般的・基礎的、なおかつ国民に必要とされる教育で、職業的・専門的ではない教育

欧米における普通教育

近代教育思想は、コメニウスルソーペスタロッチらの思想をもとに確立された[1]。これらの近代教育思想は身分、職業、貧富の差による教育格差の打破を説き、万人に共通に必要とされる教育として普通教育(universal education)が提唱されるようになった[1]

しかし、19世紀のヨーロッパでは富国殖産のための教育が重視され、近代的な初等学校はむしろ階級的な学校観を反映した管理運営がなされた[2]

一方、アメリカ合衆国ではヨーロッパから多くの移民が流入し、政治的・宗教的・道徳的価値観の混乱がみられるようになったため、コモン・スクール等のカリキュラムを通して普通教育は展開された[2]

日本における普通教育

日本では初等教育中等教育として行われるものを指し、それらは学習指導要領に基づく教育課程となっている。専門教育高等教育などと対置される概念。

概念

普通教育という用語は、主に教育法令分野で用いられ、一般的に小学校などの初等教育や、中学校高等学校中等教育学校などの中等教育に関する概念として用いられている。

このうち初等教育[3]および前期中等教育[4]義務教育となっており、日本では日本国憲法第26条第2項が「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」と定める(なお、憲法上の『普通教育』の公訳はordinary education)。学校教育法第16条では、この義務教育の期間を9年間と定めている。

なお、後期中等教育[5]における「普通教育を主とする学科」は「普通科」とされている(高等学校設置基準第5条・第6条第1項など)。また、「普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科」は「総合学科」とされている(高等学校設置基準第5条・第6条第3項など)。

さらに、「障害による学習上又は生活上の困難を特に有しない一般の児童生徒幼児を対象とした教育。特別支援教育に対置される概念。」という誤解もあるが、特別支援学校の小学部や中学部の教育も「普通教育」である。「特別支援教育」に対置される概念は「通常の教育」ないしは「通常教育」である。

普通教育の段階

初等教育、中等教育で行われる普通教育は次の通り区分されている。

  • 初等教育(義務教育として行われる普通教育のうち基礎的なもの[6]): 小学校、義務教育学校の前期課程、および特別支援学校の小学部の段階
  • 前期中等教育(義務教育として行われる普通教育[7]): 中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程、および特別支援学校の中学部の段階
  • 後期中等教育(高度な普通教育[8]): 高等学校、中等教育学校の後期課程、および特別支援学校の高等部の段階

脚注

  1. ^ a b 細谷俊夫編『新教育学大事典第6巻』1990年、98頁。 
  2. ^ a b 細谷俊夫編『新教育学大事典第6巻』1990年、99頁。 
  3. ^ 小学校、義務教育学校の前期課程、および特別支援学校の小学部。
  4. ^ 中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程、および特別支援学校の中学部。
  5. ^ 高等学校、中等教育学校の後期課程、および特別支援学校の高等部。
  6. ^ 学校教育法 第29条
  7. ^ 学校教育法 第45条
  8. ^ 学校教育法 第50条

関連項目


普通教育

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 21:24 UTC 版)

朝鮮教育令」の記事における「普通教育」の解説

普通の知識・技能授け国民日本人としての性格涵養し、国語日本語)を普及することを目的とする。普通教育を行う学校として普通学校高等普通学校女子高等普通学校置かれた。 普通学校 修業年限4年3年短縮可)、入学資格8歳以上とする。 高等普通学校 修業年限4年入学資格普通学校4年)を卒業した12歳上の男子とする。官立国立高等普通学校には、師範科か教員速成科の設置が可能。 師範科 - 修業年限1年入学資格高等普通学校4年)の卒業者とする。 教員速成科 - 修業年限1年以内入学資格16歳上で高等普通学校2年修了者とする。 女子高等普通学校 修業年限3年男子より1年短い)、入学資格普通学校4年)を卒業した12歳上の女子とする。技芸科(12歳上の女子修業年限3年以内)の設置が可能で、官立国立女子高等普通学校への師範科(女子高等普通学校3年)の卒業者修業年限1年)の設置を可能としている。

※この「普通教育」の解説は、「朝鮮教育令」の解説の一部です。
「普通教育」を含む「朝鮮教育令」の記事については、「朝鮮教育令」の概要を参照ください。

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