映像にも強い新バイアスアルゴリズムの登場
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「3DCGソフトウェアの歴史」の記事における「映像にも強い新バイアスアルゴリズムの登場」の解説
2000年代後半、フォトンマッピングを収束するように改良した確率的プログレッシブフォトンマッピング (SPPM)が登場した。2010年、Wenzel JakobがSPPMを含む多くの手法に対応する研究用レンダラーMitsubaをオープンソースとしてリリースした。2011年、オープンソースのYafaRayにSPPMが追加されたほか、2012年、SPPMに対応するLuxRender 1.0もリリースされた。 その後、プログレッシブフォトンマッピングと双方向パストレーシングを組み合わせたVCMが登場した。2012年、Iliyan Georgiev、Jaroslav KřivánekらはVCM (Vertex Connection and Merging)アルゴリズムを開発し、同時に実験的レンダラーのSmallVCMをオープンソースでリリースした。2013年、VCMに対応するLuxRender 1.2がリリースされた。Chaos GroupはIliyan Georgievと共同開発を行い、2014年、VCMに対応するV-Ray 3.0をリリースし、同年、RenderManはPxrVCM integratorを搭載するRenderMan 19をリリースした。同年、liyan Georgiev、Jaroslav Křivánekらはボリュームレンダリング用のUPBPアルゴリズムを開発し、SmallVCMの派生レンダラーとしてSmallUPBPをリリースした。 一方でChaos Groupは「VCMアルゴリズムは効率が悪い」として、V-Rayでライトキャッシュを伴う単方向パストレーシングを推進した。またRedshift Rendering TechnologiesもGPUレンダラーのRedshiftでライトキャッシュやインポートンに類似するIrradiance Point Cloudを実装していた。2015年、Render LegionはUHDキャッシュ搭載のCorona Rendererの正式版をリリースし、Corona Renderは建築可視化において急速に支持を拡大した。 一方、2016年、Altair EngineeringはThea Renderの開発元Solid Iris Technologiesを買収したものの、Thea Renderは建築可視化において急激にシェアを落としていった。2017年、V-Rayの開発元Chaos Groupは競合していたCorona Renderの開発元Render Legionを買収した。 その後、コースティクスの高速化が進んでいった。2015年にWeta Digitalが同社の内製レンダラーManukaに搭載されている屈折コースティクス高速化アルゴリズムのManifold Next-Event Estimation (MNEE) を発表し、2018年、PixarはMNEEを搭載するRenderMan 22をリリースしたものの、MNEEは制限の強いものとなっていた。2019年、Chaos Czech (元Render Legion) はコースティクスにVCMアルゴリズムの大幅改変版である「One-Click Caustics」(Photon Path GuidingにMetropolis Samplingを組み合わせたもの)を採用するCorona Renderer 4をリリースした。
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