早期パーキンソン病の治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 15:47 UTC 版)
「パーキンソン病」の記事における「早期パーキンソン病の治療」の解説
まず最初になされることは、パーキンソン病がどのようなものか (経過と治療法、予後など)をきちんと説明されること。次には薬物治療開始のタイミングを観察すること、さらにリハビリテーションを開始することなどである。 診断がついた時点ですぐに始めるべきとする意見 ある程度日常生活に支障が出た時点で始めるべきという意見 できるだけ開始を遅らせるべきとする意見 上記3つの内の第2の意見がコンセンサスとなっていた。レボドパの長期服用による運動合併症の発現をできるだけ遅らせるため、またレボドパ自体が神経毒であるという説があったためである。しかしいくつかのランダム化比較試験 (たとえば)でレボドパがプラセボ群に対して有意に運動症状の改善を認め、レボドパ投与によるパーキンソン病の進行ではなく、逆に早期からのレボドパ投与で運動機能がよく保たれる可能性が認められた。また (レボドパの投与期間を短縮する目的でも) 治療開始を遅らせることは、それによって神経変性が予防されて病気の進行が遅くなるわけではない。 何から始めるか 運動症状に対する薬物療法は、ドパミン補充療法で開始する点は確立しており以下のようになる。非高齢者 (70-75歳を境界として) で認知症のない場合は、基本的にはドパミンアゴニストから開始し、改善が不十分なときにはレボドパ/カルビドパ(英語版)合剤を追加する 同じ条件でも、現在の運動症状の改善を優先したい事情がある場合は、ただちにレボドパ/カルビドパ合剤から開始して、改善不十分な場合にドパミンアゴニストを追加する。 認知症がなく、運動症状が軽度の場合は、MAO-B阻害薬から開始する。 高齢者の場合、または認知症のある場合は、初めからレボドパ/カルビドパ合剤を使う。
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