日本画の美意識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/21 01:07 UTC 版)
天心は、美術史家アーネスト・フェノロサが日本画の造形性、装飾性を高く評価した事をきっかけに、新しい日本画の構想として西洋画法の踏襲と東洋的浪漫主義を掲げ、彼が参画した日本絵画協会や東京美術学校において横山大観や菱田春草など多くの若手画家が実践した。 日本画における東洋的浪漫主義の特徴は以下の通り。 観念的な画題やテーマ(寂静、勇壮、華麗など、特定のモチーフを持たない概念) 感覚の表現(騒々しさ、生臭さ、冷たさ、湿っぽさなど、観賞者の感覚や内面に訴えかける目に見えないもの) 心情の描写(人物や動物の心情に限らず、草花や山、海などのあらゆるモチーフから感情を読み取れるような描き方) 観察眼(実物を見ながら写生・デッサンするのではなく、実物をしばらく観察して目に焼き付け、時間を置いて思い出しながら描く。こうする事で自身の印象に残っていない余計な情報が省かれ、洗練されたモチーフを描き出すことができる。) 日本美術院では、こうした特徴を踏まえた絵画研究会や互評会が組織され、毎月定期的に開かれた。具体的に、岡倉天心が月毎に画題を発表し、正員や研究生たちは1ヶ月かけて作品を描き、画題の真意が表現できているかどうか天心によって論じられた。
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