日本初の男性和服歌手・三波春夫の誕生秘話
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歌手デビューした1957年当時、三波の衣装は白いタキシードだった。当時、藤山一郎や東海林太郎をはじめとする男性流行歌手はスーツかタキシードで歌うことが当たり前だったが、三波自身は物足りなさを感じていた。いつもそばで見ていた妻・ゆきは派手な所作や表現力豊かな三波に相応しい衣装として浪曲師時代から慣れ親しんできた「着物」を用いることを提案。当初、所属していたテイチクレコードの重役陣に反対されたが、この年、2週間の浅草国際劇場公演の際に初めて家紋を散らした紋付き袴姿で舞台に上がったところ、観客の拍手喝采に「奥様、やはり、日本の男性は和服に限ります…」と重役陣も脱帽したという。このエピソードこそ三波春夫が男性歌手として初の和服姿で歌ったと言われるきっかけとなった。三波の芸道の陰には常に妻の支えがあり、夫唱婦随で「三波春夫」を創り出していた。これをきっかけに舞台向きのデザインを工夫して誂え「着物姿の三波」が定着。浪曲の頃から大胆だった所作も、歌を立体化して、よりドラマチックに演ずるためにと研究を重ねた。 三波は晩年の1998年6月、NHK放送の「スタジオパークからこんにちは」にゲストとして出演した際に、このエピソードを語っている。
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