日常利用への対応 - EXE車の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:10 UTC 版)
「小田急ロマンスカー」の記事における「日常利用への対応 - EXE車の登場」の解説
このころになると、小田急ロマンスカーの利用者層にも変化が生じていた。観光客以外の日常利用が増加していたほか、1967年から開始された夕方新宿発の通勤用特急は増発が続けられ、当初の「回送列車の客扱い」という思惑を超え、わざわざ新宿まで出庫させる運用まで登場していたが、それでも輸送力の増強が求められていた。しかし、当時はまだ通勤輸送に対応した複々線化工事は進展しておらず、これ以上の増発やスピードアップは困難な状況で、単位輸送力の向上、言い換えれば列車の定員を増やすしか方法がなかった。また、1963年から導入されているNSE車が置き換えの時期となっていた。 こうした状況下、箱根特急の利用者数が年率5%程度の減少傾向が続いており、これを日常的な目的での特急利用者を増加させることで補う意図もあった。これにあわせて、1996年にそれまでとは一線を画す車両として30000形が登場した。30000形は "Excellent Express" 、略して「EXE車」と呼ばれる車両で、それまでの小田急ロマンスカーの特徴であった前面展望席も連接構造も導入されていない。 EXE車の導入後も、日常利用への対応は続けられた。1998年からは相模大野・秦野にも特急が停車することとなり、1999年7月からは「あしがら」「さがみ」を統合して「サポート」としたほか、新宿を18時以降に発車する特急は全て「ホームウェイ」という愛称になった。こうした施策によって、1987年時点では1100万人だった特急の年間利用者数は、2003年には1400万人に増加したのである。
※この「日常利用への対応 - EXE車の登場」の解説は、「小田急ロマンスカー」の解説の一部です。
「日常利用への対応 - EXE車の登場」を含む「小田急ロマンスカー」の記事については、「小田急ロマンスカー」の概要を参照ください。
- 日常利用への対応 - EXE車の登場のページへのリンク