新聞紙片
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 07:20 UTC 版)
トランジスタメガホンは、白ペンキで2度塗装されていた。捜査に行き詰まっていたある日、トランジスタメガホンの表層面の塗装が剥がれた部分に4ミリメートルほどの紙片のようなものが数ヶ所付着しているのを捜査員が発見した。拡大して見ると、そこには菱形状の模様や黒い点が見えていた。捜査本部が警視庁科学検査所(当時)に鑑定を依頼したところ、それは新聞紙片で、新聞の見出し部分を際出せるために使われる「地紋」の模様の一部であると推測された。捜査本部は、新聞を特定するために偽装白バイが改造されたと推測される日時から遡って約二年分の各新聞社発行の新聞を地道に調べた。すると1968年12月6日発行の「産経新聞」朝刊13版11面・婦人面掲載の「食品情報」という記事の見出し部分に使われていた漢字「品」の右下部分であることが判明した。決め手となったのは「地紋」の模様が一致したことである。「地紋」は各新聞社が独自にデザインすることから種類も千差万別であるが、各社で特徴が出ることから判別が可能だった。紙片の分析を行ったところ、紙は愛媛県伊予三島市の大王製紙の工場で作られたと判明した。さらに分析した結果、製造された紙が使われていた産経新聞が配達された地域は、東京都三多摩地区であることが判明した。
※この「新聞紙片」の解説は、「三億円事件」の解説の一部です。
「新聞紙片」を含む「三億円事件」の記事については、「三億円事件」の概要を参照ください。
- 新聞紙片のページへのリンク