新ダーウィン主義への疑義・批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 23:28 UTC 版)
「ネオダーウィニズム」の記事における「新ダーウィン主義への疑義・批判」の解説
総合説、新ダーウィン主義は、現在にいたるまでたびたび疑問を呈されている。 著名な新ダーウィン主義の批判者のひとりは、細胞生物学者のリン・マーギュリスである。マーギュリスは進化の主要な原動力は共生であると述べており、競争を強調する新ダーウィン主義は誤りである、と述べている。 また、日本人の今西錦司も、共生の視点から新ダーウィン主義を批判した。 四方哲也は世代の交代の活発な大腸菌をもちいた進化の実証実験において、遺伝子的に改良し生存に優れている大腸菌が、通常の大腸菌を完全に淘汰せず、一定の共生関係にある事を実証した。 木村資生が提唱した中立説は、1960年代から1970年代にかけて自然選択説と対立する理論としてセンセーションを巻き起こした。斎藤成也は1970年代に総合説は中立説に敗れたと述べた。しかし、提唱者の木村は中立説は自然選択と対立するものではないとし、中立説は総合説の一部として多くの研究者に受け入れられるに至った。ただし、現在でも中立説が総合説と対立すると考えている研究者もいる。 免疫学者テッド・スティールは1980年代にネオ・ラマルキズムを提唱した。 スティーヴン・ジェイ・グールドは、適応主義を批判し、適応以外の要因や個体発生を重視するべきだと述べた。 発生生物学者ブライアン・グッドウィンは発生的制約が強力であるために自然選択が働く余地は無いと述べた。 構造主義生物学の立場からは、「突然変異の偶然性や自然選択の原理ばかりが進化の本質ではない」、「DNA=生物ではない」と、批判されている。
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