数学的意味での証明の誕生と原論の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 00:51 UTC 版)
「幾何学」の記事における「数学的意味での証明の誕生と原論の成立」の解説
パピルスに記録されたユークリッド原論の断片。 原論の著者とされるユークリッド。 とくにピタゴラスは後のギリシャ数学者達に影響を与え、ユークリッドもその一人であった。自明な少数の原理(公理など)から厳密に演繹を積み重ねて当たり前とは思えない事柄を示していくやり方は、ユークリッドの手により『原論』において完成され、後の数学の手本となった。ユークリッドの手により証明をもとに体系化されたギリシャ数学は、曖昧さが残るエジプトやバビロニアのものより圧倒的に優位であったといえる。 曖昧な経験の集積ではなく、それらを体系化された理論にまとめあげ少数の事実から全てを演繹するという手法は長らく精密科学の雛型とされ、後世ではニュートンの古典力学なども同様の手法で論じられている。このような手法は古代ギリシャにのみ誕生したが、それは何故かという問題は科学史の重大な問題である。 ユークリッド原論はB.C.300年ごろに出版され、全13巻からなり、幾何学以外にも量や数の理論なども記述があるが、これらも幾何学的に取り扱われた。また原論は幾何学のバイブルとしてその後2000年以上にも渡って愛読され続けた。
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