数学的手続き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:10 UTC 版)
変位角はかなり誇張されているが、右に掲げた力学的関係図 (en) を用いて考える。本解析は山の片側のみの引力を考慮することにより簡単化される。質量 m の振り子の錘は質量 MM、密度 ρM の山の重心 P から距離 d の位置にある。錘にかかる山による P 方向の引力 F と、その地球に向かう重力 W により、振り子のワイヤーは微小角 θ だけ変位する。W と F のベクトル和は振り子のワイヤーでの張力 T となる。ここで、地球は質量 ME、半径 rE、そし密度 ρE をもつ。 錘にかかる二つの引力はニュートンの万有引力の法則により与えられる。 F = G m M M d 2 , W = G m M E r E 2 {\displaystyle F={\frac {GmM_{M}}{d^{2}}},\quad W={\frac {GmM_{E}}{r_{E}^{2}}}} ここに G は万有引力定数である。F と W の比をとることで G と m を消去することができる。 F W = ( G m M M ) / d 2 ( G m M E ) / r E 2 = M M M E ( r E d ) 2 = ρ M ρ E V M V E ( r E d ) 2 {\displaystyle {\frac {F}{W}}={\frac {(GmM_{M})/d^{2}}{(GmM_{E})/r_{E}^{2}}}={\frac {M_{M}}{M_{E}}}{\left({\frac {r_{E}}{d}}\right)}^{2}={\frac {\rho _{M}}{\rho _{E}}}{\frac {V_{M}}{V_{E}}}{\left({\frac {r_{E}}{d}}\right)}^{2}} ここに VM と VE はそれぞれ、山と地球の体積である。統計的な均衡 (en) により、ワイヤーの張力 T の水平、垂直成分は二つの引力と変位角 θ で定められる。 W = T cos θ , F = T sin θ {\displaystyle W=T\cos \theta ,\quad F=T\sin \theta } 上記2式から T を消去することにより次式を得る。 tan θ = F W = ρ M ρ E V M V E ( r E d ) 2 {\displaystyle \tan \theta ={\frac {F}{W}}={\frac {\rho _{M}}{\rho _{E}}}{\frac {V_{M}}{V_{E}}}{\left({\frac {r_{E}}{d}}\right)}^{2}} VE, VM, d, rE は全て既知であるので θ を計測することにより、ρE : ρM の比が得られる。 ρ E ρ M = V M r E 2 V E d 2 tan θ {\displaystyle {\frac {\rho _{E}}{\rho _{M}}}={\frac {V_{M}r_{E}^{2}}{V_{E}d^{2}\tan \theta }}}
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