教室プローベ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 08:36 UTC 版)
「教室プローベ(probe)」は戦前後に始まったと聞く。「大学の病理学教室で行う病理標本のprobe(探索)」といった意味合いであろう。手術で切り取られた臓器・腫瘍等を、医学部の講座で研究として病理検査・病理診断することに端を発している。 教室プローベは、大きく分けて2種類が知られている。病理学的検査の検体を医療施設(病院や診療所)から直接運び、病理学教室で病理検査工程すべてを実施する方法と、登録衛生検査所が作ったガラス標本を衛生検査所から運び込む方法がある。教室プローベは医療機関や登録衛生検査所からの下請けであり、「検査差益」を回避できにくいという側面がある。また文部省等の管轄である医学部病理「教室」で、「病理診断」という医行為を行っているとの指摘などがある。また病理診断誤診等をきっかけにした訴訟等があるとしたばあい、教室プローベが元請責任を問われる可能性もありえる。教室プローベという制度が、時代に合わなくなってしまったのである。 いっぽう大学病院等では規制がやや異なっている。「病院における検体検査の受託について(医政総発第0315001号 平成17年3月15日)」においては受託できる「専門医性の高い検体検査業務」の範囲として ①病理学的検査 ②検体中の核酸又は遺伝子を対象としたいわゆる遺伝子検査 が掲載されている 。 大学によっては病理組織検査受託に際しての規程が用意されている。たとえば京都大学病理組織検査受託規程は昭和39年に制定されている。検査を委託するものを保険医療機関に限定し、診療報酬点数表の検査項目区分等も明示されている。規程のなかに病理診断科という名称はないが、保険医療制度に矛盾しない病理標本作成および病理診断サービスが用意されていることになる。 「教室プローベ」も参照
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