放射能の量 と 放射線の線量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 07:02 UTC 版)
「ベクレル」の記事における「放射能の量 と 放射線の線量」の解説
一般に電離作用をもたらす放射線は人間にとって有害である。人体への放射線の影響を考えるときのもっとも重要な量は、放射線と人体との相互作用によって人体が吸収したエネルギーの量、吸収線量(単位:グレイGy)である。 また、確率的影響の発生を制限することを目的とした放射線防護の領域においては、放射線の種類やエネルギー量の違いによる放射線の生物影響の違いを平準化し、さらに生体影響の違いについて平準化し和をとった実効線量(単位:シーベルトSv)が用いられる。 ベクレルなどの放射能の単位は、放射性物質から出ている放射線量を表す物理量であり、出てきた後の放射線が物質や生体に作用する程度はベクレルのみでは説明できない。 同ベクレルの放射能が存在しても、その人体への影響は線源の形状・遮蔽の評価、吸収線量や放射線の種類やそのエネルギーなどの条件によって異なる。 放射性物質が異なれば、放射能が同量であっても、放出する放射線の種類やエネルギーは異なる。そのため放射性物質の物理的状態、測定位置と放射線源の距離、遮蔽や減衰によって影響が変わってくる。ベクレルからシーベルトへの換算は不可能ではなく、さまざまな条件がわからない限り単純計算では難しいというわけである。
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