放射能の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 22:39 UTC 版)
20世紀が始まるころ、原子の存在に関する活発な議論はいまだ解決に至っていなかった。エルンスト・マッハやヴィルヘルム・オストヴァルトなどの哲学者は、原子が実在することを否定し、これを都合の良い数学的構造とみなしていたが、アルノルト・ゾンマーフェルトやルートヴィッヒ・ボルツマンなどの科学者は物理理論には原子の存在が必要であると考えていた:§1。 放射能は1896年にフランスの科学者アンリ・ベクレルにより燐光材料の研究中に発見された。アーネスト・ラザフォードは放射能を通常の物体や気体を透過または移動する能力によって3種類、アルファ、ベータ、ガンマに区別した。これらの放射線はすぐに既知の粒子で同定された。ベータ線は1900年にベクレルにより電子であることが示され、アルファ線は1907年にラザフォードとThomas Roydsによりヘリウムイオンであることが示され、ガンマ線は1914年に電磁放射つまり光の1つであることが示された:62。これらの放射線は原子から発されるものとしても認識されていたため、原子内で起こっている過程の手掛かりとなった。逆に、放射線は原子内部を調べる散乱実験で使うことができる道具としても認識されていた:112-115。
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