放射性ヨウ素、放射性ヨード
【原文】radioactive iodine
ヨウ素のうち放射性を有するもので、しばしば画像検査に利用されたり、甲状腺機能亢進症や甲状腺がんを始めとする特定のがんに対する治療に用いられたりする。画像検査では、患者の体内に投与された少量の放射性ヨウ素が甲状腺細胞や一部の腫瘍の内部に集積し、これによりスキャナでの検出が可能となる。甲状腺がんに対する治療の場合は、大量の放射性ヨウ素を投与し、それによって甲状腺細胞を殺傷する。放射性ヨウ素はまた、前立腺がんや眼内(眼の)黒色腫、さらにはカルチノイドと呼ばれる腫瘍に対する内照射療法にも用いられる。放射性ヨウ素は、がん細胞を殺傷することを目的として、液剤やカプセル剤として経口的に投与されたり、注射によって投与されたり、あるいはシードに封入して腫瘍の内部やその周囲に埋め込まれたりする。
放射性ヨード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:38 UTC 版)
ヨード-131(133I)(放射性ヨード)放射性アイソトープ治療の場合放射性ヨード-131の錠剤か液体を一回のみ内服することで異常に活性化された甲状腺の機能を破壊する。一回の内服で効果が見られない患者は更なる服用をすることもある。この治療の際のヨードは治療前の検査でスキャンに使うヨードとは違うものである。放射性ヨードは治療前の通常検査のスキャンの後に内服し、治療前のヨードは甲状腺亢進症の診断を確認する為のものである。放射性ヨードは甲状腺内の活発な細胞に付着し、それを破壊する。ヨードは甲状腺の細胞のみに付着する為(特に活発すぎる甲状腺細胞に簡単に付着する為)、細胞の破壊は甲状腺の部分的なもので、全身に広がるような副作用はこの治療にはない。放射性ヨードの治療は50年以上安全に行われており、唯一この治療法を適用しないのは妊婦や母乳を与えている女性のみである。 むしろチアマゾールによる催奇形性を避けるため、131Iによる妊娠前の治療は米国では日本に比べ多く行われている[要出典]。 ただし、放射性ヨードの投与には鉛で遮蔽された病室を範囲に含む放射線管理区域内での投与となるので、実施可能な施設が限られる。また放射性ヨードが効率的に甲状腺へ集積するよう、事前にヨード制限食を摂る必要がある。
※この「放射性ヨード」の解説は、「甲状腺機能亢進症」の解説の一部です。
「放射性ヨード」を含む「甲状腺機能亢進症」の記事については、「甲状腺機能亢進症」の概要を参照ください。
「放射性ヨード」の例文・使い方・用例・文例
放射性ヨードと同じ種類の言葉
- 放射性ヨードのページへのリンク