捏造の具体例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 05:56 UTC 版)
英語版ウィキペディアが示す例 実験を全くしないで実験データを作ること。英語ではこの行為を「dry-labbing」と呼ぶ。日本語に訳すと「カラ実験」である。 米国・マイアミ大学が示す例 心理学などで、インタビューしていない人の架空のアンケート回答を作る。 実際には実験していないのに、実験したかのような実験データを作成する。 統計的な妥当性を高めるために、実際に集めた一連のデータに架空のデータを加える。 臨床研究などで、法令順守に従うために、架空の治療経過記録(clinical note、progress note)を研究記録に挿入する。 米国・NIHが示す例 多くの(あるいは一定数の)参加者を集めなければならないという期待と圧力に負けて、研究コーディネーターが架空の人物名と参加者情報を記入して医薬品の治験参加書を作成した。 バーモント州の生物医学研究者エリック・ポールマン(Eric Poehlman)が実在しない患者のデータをでっちあげた。 パーキンソン病研究者のモナ・ティルチェルヴァン(Mona Thiruchelvam)事件を参照のこと。 モナ・ティルチェルヴァン事件2012年6月29日、ニュージャージー医科歯科大学の元・助教授のモナ・ティルチェルヴァンは、2005年にEnvironmental Health Perspectiveと Journal of Biological Chemistryに出版した2つの論文でのデータねつ造を認め、論文を撤回した。2つの論文とも、パーキンソン病(PD)患者の神経細胞への殺虫剤の影響に関する研究で、論文では、マウスとラットの脳の中の黒質線条体の神経細胞数を数えたことになっていた。しかし、調査の結果、神経細胞は一度も数えられたことがなかった、という事実が判明した。 — ヘイリー・ダニング、『科学者』誌(The Scientist)
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