招き猫(まねきねこ)について
猫は犬とともに古くからペットとして愛玩されてきた動物ですが、その猫が福や運を招く招き猫として形付けられてきたのは、江戸時代に入ってからとされています。
猫は中国から渡来してきたもので、中国においては「前足で顔を撫で回すと翌日は雨になる」など、猫のしぐさと色々な事象を結び付けて、猫には元々予知能力や霊感をもった神秘的な霊能力があるとする考えも伝えられました。日本においても、その神秘的な霊能力が発揮されたとする事例や諸説が生まれたことなどから、前足を挙げる独特のスタイルが確立し、庶民の生活に根ざしたといわれています。
右手を挙げているのは「開運招福」といって金運や幸運を招き、左手を挙げているのは「千客万来」といってお客を招くとされています。中でも、挙げている手が耳より高い位置にあるものは「手長」と言い、長い手でより多くを引き寄せることが出来るので、招く力がより強いともいわれています。
種類によっても異なり、三毛猫が一般に多く「開運招福」全般を祈願するもので、金猫は「財運興隆・商売繁盛」を、黒猫は「家内安全・厄除け」を、赤猫は「無病息災・快癒祈願」を祈願するものとされているようです。
その他にも、右手を挙げているのは雄で昼間の商売又は堅気の商売向けで、左手を挙げているのは雌で夜の商売又は水商売向けだとか、右手を挙げているものは一般家庭向け家内安全用で、左手を挙げているものは商い向けで商売繁盛用などとするものもあります。
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