批准されなかった条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 03:53 UTC 版)
「欧州連合基本条約」の記事における「批准されなかった条約」の解説
欧州防衛共同体設立条約 欧州石炭鉄鋼共同体の成功から、欧州防衛共同体という形態のヨーロッパ規模での軍事機構の枠組みにおいて西ドイツの再軍備を認める取り組みがなされた。この条約は1952年5月27日に石炭鉄鋼共同体に加盟していた6か国によって署名され、共同総会では新しい軍隊に対する民主的な説明責任を確保するために欧州政治共同体の設立条約の起草に着手していた。ところがこの条約は1954年8月30日にフランスの国民議会が否決したため、発効が断念された。 1973年と1995年のノルウェーの加盟条約 ノルウェーは過去に2度、欧州諸共同体・欧州連合への加盟を目指したが、いずれも国民投票で加盟が否決された。1度目の条約は1972年1月22日にブリュッセルで、2度目は1994年6月24日にケルキラ島で署名されていた。 欧州憲法条約 欧州憲法条約は欧州原子力共同体設立条約以外のすべての基本条約を破棄して1つの文書にまとめることを企図していた条約であった。欧州憲法条約では票決制度、構造の簡素化、外交政策における強化された協力について変更が加えられることになっていた。条約は2004年10月29日にローマで署名され、すべての加盟国によって批准されていれば2006年11月1日に発効するはずであった。ところが2005年5月29日にフランスで、同年6月1日にオランダでそれぞれ実施された国民投票で欧州憲法条約は否決された。この事態を受けて「熟慮期間」が設けられ、「憲法」という形を解体してリスボン条約として再生された。
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