戦間期のイタリア艦艇の設計思想とドクトリン
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「イタリア海軍」の記事における「戦間期のイタリア艦艇の設計思想とドクトリン」の解説
イタリア海軍は新たな仮想敵国となったイギリス海軍とフランス海軍双方の強大な海軍力に対し、高速艦艇により攻撃する計画を立案した。この路線から後の第二次世界大戦時のイタリア海軍の主力艦艇の船体形状は、高速性能を得るために縦横比率の高い細身の形状をした独特の設計が採用されており、高速性を発揮しやすいのが特徴で、同時代のイギリス海軍の大型艦も同様の船体形状を特徴としている。また、イタリア海軍が主に行動する海域は地中海であるために、外洋での凌波性や航続性能は他国に比べ低いものでも良いとされた。そしてその分のリソースを防御性能や居住性に充てたため、他国の同排水量の艦に比べ、後の時代になるほど攻防能力が高くなっている。しかし、元々性能の高くないイギリスの機関を参考にして大出力機関を開発したために、第一次大戦後のイギリス新戦艦と同じく信頼性を犠牲にしている感があり、また、致命的なことに、そうした努力を持ってしても、根本的に工業力で上回っているイギリス海軍の量やフランス海軍の持つ質への不利は否めなかった。その為、次第にイタリア海軍の戦術ドクトリンは第一次世界大戦のように主力艦艇を敵主力艦の牽制に用いつつ、潜水艦や水雷艇・駆逐艦などの小型艦艇の運用により敵海軍力を削ぐ戦術を志向していった。
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