成立過程・版本
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「三国志 (歴史書)」の記事における「成立過程・版本」の解説
成立時期は西晋による中国統一後の280年以降とされる。 現在通行している版本はおおむね4種ある。 百衲本(宋本) - 紹興年間(1131年-1162年)の刻本が現存する最古の底本である。ただし一部欠落があるため、紹熙年間の刻本で補い、張元済が民国25年(1936年)に編した。 武英殿本(殿本) - 明代の北監本を底本に陳浩(中国語版)らが乾隆41年(1776年)に編した。政府部局である武英殿書局による欽定本。 金陵活字本(馮本) - 明代の南監馮夢禎(中国語版)本を底本に曽国藩が設立した金陵書局が同治9年(1870年)に編した。 江南書局本(毛本) - 毛氏汲古閣本を底本に曽国藩が設立した江南書局が光緒13年(1887年)に編した。 また、20世紀に発見された写本としては以下のものがある。 虞翻陸績張温伝残巻 - 1920年代にトルファン市出土との伝。影印は早くから流通しており、中華書局版『三国志』(1959年)の巻頭にも書影があるが、原写本は所在不明。 虞翻伝残巻 - 20世紀初に敦煌某寺で出土との伝。10行、100余字が残る。台東区立書道博物館所蔵。重要文化財。 歩騭伝残巻 - 20世紀初に莫高窟で発見された敦煌文献の一つ。25行、440余字が残る。 韋曜華覈伝残巻 - 1909年にトルファン市火焔山トユクの土中から出土。24行、590余字が残る。台東区立書道博物館所蔵。重要文化財。 呉主伝残巻 - 1965年にトルファン市の仏塔から発見された。40行、570字が残る。 臧洪伝残巻 - 1965年にトルファン市の仏塔から発見された。21行、370余字が残る。
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