愛着行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 02:06 UTC 版)
愛着行動のシステムは、愛着の対象者に対する親密さを達成し、それを維持する目的で機能している。前-愛着行動は、生後6ヶ月以内の乳児に見られる。最初の時期(生後8週まで)では、乳児は、養育者の注意を引くために、微笑んだり、声を出したり、泣いたりする。この時期の乳児は、次第に養育者を区別するようになるが、これらの行動は、近くにいる誰に対しても行われる。第二の時期(生後2ヶ月から6ヶ月まで)では、乳児はよく知っている人と知らない人をよく区別するようになり、養育者に対して、より強く反応するようになる。すなわち、後追いをしたり、まとわり付いたりする行動が加わる。第三の時期(6ヶ月から2歳まで)には、明確な愛着行動が発達する。 養育者に対する幼児の行動は、安心を感じられるような状況を達成するための、ゴールを目指す組織化された行動になる。1歳の誕生日までには、乳児は、親密さを維持するために広範囲に愛着行動を示すことが可能になる。養育者が去ってしまうことに抗議し、養育者が戻ってきたら挨拶し、びっくりしたらまとわり付き、可能なら後追いする。移動する能力の発達につれて、幼児は養育者を、探索のための安全基地として使い始める。養育者がそこにいる場合には、幼児の愛着システムは弛緩して、自由な探索行動を可能にするので、幼児は探索行動を熱心に行う。養育者がいない場合には、愛着行動は、より強く制止される。不安、恐れ、病気、疲労などがある場合には、子供の愛着行動は増強する。 生後2年以後、幼児が養育者を独立した人間として見なし始めるにつれて、さらに複雑でゴールをめざすパートナーシップが形成される。子供は、他者の目標や感情を理解するようになり、それに従って自分の行動を計画する。例えば、乳児は痛みで泣く一方、2歳児は養育者に望んだ行動をするよう求めて泣くのである。そして効果が無い場合には、さらに大きな声で泣いたり、叫んだり、追いかけたりするのである。
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