意識の量子的なメカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/08 04:07 UTC 版)
「意識に相関した脳活動」の記事における「意識の量子的なメカニズム」の解説
意識を生じさせる因子は分子レベルではなく、(1細胞もしくは複数細胞における神経伝達物質の放出や活動電位の発生などの) 神経レベルで存在していると、多くの神経生物学者は暗黙のうちに仮定している。 一部の研究者は巨視的な量子の挙動が意識を生み出すと提唱している。特に興味を集めているのは、カップリングした2つの電子などの複数の物体の量子的状態が、空間的に離れているにも関わらず強い相関を示す、量子もつれと呼ばれる現象で、私たちの局所性に関する直感が破られている (量子もつれは量子コンピューターへの応用が期待されている量子メカニズムの鍵となる特性でもある)。眼によって受容された光子や生体分子の量子メカニズムの役割は議論の余地がないほど明白である。しかし、(強く環境とカップリングしている37℃の暖かく湿った組織である) 神経系のいかなる構成要素も、量子もつれを示している証拠は無い。また、もしも拡散や活動電位の発生、伝播など、個々の細胞の内部で量子もつれが発生していたとしても、神経細胞から情報が入力や出力される原理的なメカニズムは量子的な重ね合わせを崩すだろう。神経細胞間の相互作用という細胞レベルの現象は古典的な物理法則が支配している (Koch and Hepp 2006)。
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