意匠登録の手続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 04:34 UTC 版)
意匠登録を受けるためには、願書に図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない(6条1項)。図面の代わりに写真、ひな形、見本を提出することもできる(6条2項)。願書が提出されると、願書等が所定の書式を満たしているかどうかが審査され(方式審査、68条により準用される特許法17条3項)、所定の書式を満たしているとされたものについて特許庁審査官により登録要件が満たされているかが審査される(実体審査、16条)。なお、特許出願の場合のような出願審査請求の手続は不要であり、全出願が審査される。 実体審査では、その意匠登録出願に17条各号に限定列挙された拒絶理由がないかどうかが審査され、拒絶理由がないときには「意匠登録をすべき旨の査定」(登録査定、18条)がなされる。登録査定後、所定の期間内に登録料を納付することによって意匠権が設定登録される(20条、42条、43条)。 一方、その出願に拒絶理由がある場合には審査官から出願人に拒絶の理由が通知され、意見書によって意見を述べる機会が与えられる(19条により準用される特許法50条)。意見書の提出や補正(後述)によって拒絶理由が解消された場合には登録査定となるが、拒絶理由が解消されない場合には「拒絶をすべき旨の査定」(拒絶査定、17条柱書)がなされる。 出願人が拒絶査定に不服である場合には、拒絶査定の謄本が送達された日から3月以内に、特許庁長官に拒絶査定不服審判を請求することができる(46条)。拒絶査定不服審判では、3人または5人の審査官によって審理が行われ、拒絶査定が正当な場合には審判不成立の審決(拒絶審決)、拒絶査定が不当な場合には成立審決(この場合、審判官自らが登録すべき旨の審決を行う場合と、審査に差し戻す審決を行う場合がある)がなされる。 出願人が拒絶審決に不服である場合には、東京高等裁判所に特許庁長官を被告として審決取消訴訟を提起することができる(59条)。
※この「意匠登録の手続」の解説は、「意匠権」の解説の一部です。
「意匠登録の手続」を含む「意匠権」の記事については、「意匠権」の概要を参照ください。
- 意匠登録の手続のページへのリンク