性差を用いた形容表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:13 UTC 版)
よく、物事を形容する際に男性的、女性的という言葉が用いられ、世界中にそのような表現がある。日本では古くから『万葉集』の益荒男ぶり、『古今和歌集』の手弱女ぶりがよく知られた表現である。これらの表現は男性、女性の持つ感性、特徴などをステレオタイプ化したものであり、大雑把に言うと男性的なものは、勇壮、豪快、険阻、荒々しいという要素があり、対して女性的なものは、繊細、優美、平坦、穏やかという要素を持つ。近年は性差別につながることから、社会活動や文学、芸術作品などで用いることは少ないが、特徴はお互い対極にありながら、決して優劣は付けられない自然景勝地などには、古くから今日に至るまで好んで用いられてきている。 例 山岳 男性的…大雪山、槍ヶ岳、石鎚山など険阻な鋭鋒。 女性的…蒜山、安達太良山、美ヶ原など穏やかな山岳。 海岸 男性的…三陸海岸、東尋坊など断崖絶壁、奇岩が卓越した荒々しい海岸。 女性的…宇和海、三保松原など白砂青松のなだらかな海岸線やリアス式海岸。 渓谷 男性的…三段峡、昇仙峡など高低差の激しい河谷、滝や、奇岩がいたるところに卓越するような渓谷。 女性的…奥入瀬渓流、菊池渓谷などゆるやかに蛇行を繰り返し、浅瀬や淵が多い渓谷。 が該当する。また、近隣の観光地で対比的に用いることも多い。例としては能登半島外浦(男性的)←→能登半島内浦(女性的)足摺海岸《足摺岬、竜串など》(男性的)←→宇和海(女性的)三徳山東麓の三滝渓(男性的)←→西麓の小鹿渓(女性的)嵯峨渓(男性的)←→松島(女性的)などがある。 また、各地の坂でも、同じ地点に向かう両者を比較して、勾配の急なものを「男坂」、勾配の緩やかなものを「女坂」と呼ぶことがあり、島嶼に対しても用いる例がある。
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