従来の博物館との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 00:53 UTC 版)
「エコミュージアム」の記事における「従来の博物館との違い」の解説
従来型の博物館(ミュージアム)は、次の特徴を持っている。 対象~高度な文化 場所~建物を新たに建築し、収集・収蔵品を建物・施設内に「取り込む」 主体~学芸員という専門家の管理のもとで、保存・展示 利用~一般大衆による受動的利用 であり、要するに(エコミュージアムとの対比をあえて強調していえば)高度な文化を扱う学芸員という専門家が主で利用者が従という関係で、文化を閉じ込めるものであるといえる。 これに対して、エコミュージアムには、専門家のもの、特殊な文化を扱うという考え方はない。 対象~その地域の生活そのもの(現在は存在しないものの、記憶として残る文化遺産・ソフトも含む) 場所~フィールドを活用し、その地で保存。集めたり移したりするための箱物を新たに必要としない(移す場合はなるべく現状保全)点在しているものを「つなぐ」ことに意義がある。 主体~住民・地域外住民。学芸員という専門家が主役ではなく、地域住民が主役 利用~住民・地域外住民が訪れ、活用する。 つまり、エコミュージアムは、その地の現在の生活や文化がどんな経緯でつくられてきたかということを住人自身が知り、また、他の土地の人たちにそれを見せることによって理解し、再確認する。そして、正しく受け継いでいくことに意義がある。 こうした一連の営みによって地域の活性化を図り、産業の発展をめざすことがエコミュージアムの目的であり、実践であるといえる。ただ、たとえ一地域の産業活動であっても、その大半は商取引を通じてグローバル経済に組み込まれてしまい、事業として成り立たせていくことが第一の課題であり、他地域からの資金・利潤の獲得により産業の発展にまでつなげていくことは実際にはなかなか難しい。
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