後期高齢者医療制度
老人医療費の負担と給付の関係を明確にし、医療費の増加を抑制するため、来年度から「後期高齢者医療制度」が始まります。最大の特徴は、健康保険組合などの医療保険者を対象に、メタボリック症候群対策の達成状況に応じ、後期高齢者医療費財源への支援金を最大で上下10%まで加減することにあります。
がんばった保険者は支援金の負担を軽く、がんばりが足らなかった保険者は負担を重くするものです。厚生労働省では2015年度までにメタボリック症候群の対象者を2008年度に比べ25%削減し、これをテコに2025年度には年間2兆円の医療費削減につなげる考えといいます。
国民医療費33兆円(2005年度)のうち老人医療費は11兆円と、高齢化の進展に伴い大きな社会負担になっています。背景にあるのが、心疾患やがん、脳梗塞などの生活習慣病で、医療費の3割、死因の6割を占めるまでになっています。
後期高齢者医療制度は75歳以上の老人医療費のうちの半分を国と県、1割を75歳以上の被保険者、残りの4割を74歳以下の保険者から支援金の形で賄うものです。支援金は2008年度から負担が始まり、5年の準備期間を経て、2013年度から拠出額に差がつくことになります。
健保組合など医療保険者は、国が定めた検診実施率目標などを2012年度末に達成しなければなりせん。このため被保険者や被扶養者が自ら作成した行動計画どおりメタボ対策を実行しているかどうか、毎年半年間、面談や電子メールなどで保険指導を行います。
企業や事業主の協力も欠かせません。人材確保と「社員の健康管理もCSR(企業の社会的責任)」との視点から、健康診断のデータを健保に提供したり、健保の保健指導をやりやすくしたりするなど、健保との連携強化に努める必要がありそうです。
※図は「新たな高齢者医療制度の創設(2008年4月)」。厚生労働省のホームページより。
(掲載日:2007/11/16)
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