後方乱気流への遭遇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 23:25 UTC 版)
「アメリカン航空587便墜落事故」の記事における「後方乱気流への遭遇」の解説
9時15分35秒ごろ、AA587便は左右の翼を水平にして高度1,700フィート(約520メートル)を上昇していた。ここからAA587便は前方を飛ぶJL47便の後方乱気流に2回遭遇する。1回目の遭遇は9時15分36秒ごろである。この時、下方向の荷重が 0.7G(Gは重力加速度)に減少したことをFDRは記録している。これは、体重が7割になることに相当し、体が浮き上がるように感じる状態である。 後方乱気流への最初の遭遇と時を同じくして、TRACONの管制官はAA587に左旋回してWAVEY(航法上の交差点)へ向かうよう指示していた。9時15分41秒、機長がこの指示に従っている旨を応答し、これがAA587便から管制への最後の通信となった。AA587便は左にバンク角をとって左旋回に入った。9時15分45秒ごろ、機長が「ちょっとした後方乱気流だな (little wake turbulence, huh?)」と発言し、副操縦士は「ええ (yeah)」と答えた。 9時15分51秒、AA587便は2度目の後方乱気流に遭遇した。FDRの記録によると、下向きの荷重が 1.0G(地上での重力加速度に等しい値)から 0.6G まで変化した。9時15分51秒から53秒までに、コックピット・ボイス・レコーダ (CVR) にはドシン、カチッ、ドシン、ドシンという音が記録されていた。同54秒、副操縦士は緊張した声で「最大出力 (max power)」と言った。この時の飛行速度は、240ノット(時速約444キロメートル)だった。
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