影響と解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 06:41 UTC 版)
1947年の『肉体の門』、『星の流れに』が大きな反響を生んだ後、「生活のために身を売る哀れな闇の女」というイメージが定着したが、「パンパン」という呼称は否定的なイメージを伴い、蔑称だと考えられている。 派手な服装と濃い口紅で、パーマをかけた髪型で街角で煙草を吸う姿がパンパンの典型的なイメージであるが、ジョン・ダワーは「ここに性を抑圧していた戦前の体制に対する反発が見てとれ、戦後日本におけるアメリカ的消費文化(物質主義)の先駆けである」と評する。丸山眞男をはじめとする日本の戦後知識人らはパンパンを米国に媚び追随する者の例とみなした。一方、坂口安吾『堕落論』に代表される退廃を推奨する言説においては、パンパンの自由さを礼賛する傾向があった。 日本のキリスト教界指導者の間ではパンパンを恥ずべき者として非難する見解と、そこから立ち直っていく過程をマグダラのマリアに重ねて解釈する見解とがあった。 賀川豊彦は『婦人公論』1947年8月号に「闇の女に堕ちる女性は、多くの欠陥を持っている」とし、パンパンについては「わざと悪に接近」するような悪魔的なところがあり、「一種の変成社会における精神分裂病患者である」と書いた。
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