当初の形式での大統領と副大統領に対する投票
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/10 15:10 UTC 版)
「アメリカ合衆国憲法修正第12条」の記事における「当初の形式での大統領と副大統領に対する投票」の解説
アメリカ合衆国憲法第2条第1節第3項では、各選挙人が2票を投ずることになっていた。各選挙人は2票ともに選挙人と同じ州の住人に投票することはできなかった。選挙人票の過半数(50%以上)を得ることが当選者に求められた。 選挙人票の過半数を得た者が1人を超えて存在し、且つ、その得票数が同数の時は、アメリカ合衆国下院がこれらの候補者の中から選択することになっていた。もし、だれも過半数を得られなければ、下院は選挙人票の上位5人の中から選ぶこととされていた。 副大統領の選出はより単純な方法だった。大統領に次いで最高得票をした者が副大統領になった。大統領と違って副大統領は選挙人票の過半数を得る必要がなかった。多くの候補者の中で次点が2人以上いる場合、アメリカ合衆国上院がその中から1人を副大統領に選ぶことになっていた。各上院議員は1票ずつを投じた。当初の憲法のやり方では、候補者の票が同数になった場合に現職の副大統領(上院議長を兼ねる)が最後の1票を投じることができるか否かについて、規定がなかった。 1800年の大統領選挙では当初のやり方の欠陥が露呈され、もし選挙人団のそれぞれが党の公認候補に投票すれば、最も票を集めた者2人が同数になるということだった。下院では大統領を選ぶために何度も投票を重ねることになるということも示された。 さらに、副大統領は選挙人投票で大統領の対抗馬であったという状況では、2人が効果的に協力してことに当たる能力を妨げ、少なくとも理論的には(副大統領は現職大統領の排除もしくは死の場合に大統領職を継ぐことになるため)クーデターの引き金にもなりうるということが徐々に明らかになってきた。修正第12条では、大統領と副大統領を順番に別々に選ぶことで、そうでない場合に比較してこの可能性を排除することになった。
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