強制連行論の拡張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 10:13 UTC 版)
政府が本岡議員に対し「慰安婦の強制連行」を否定した後も野党議員による追及は続き、マスコミの一部が政府を批判し国会外でも論争が始まると、「強制連行」の語と共に「強制」や「強制性」といった言葉が論争の中で用いられるようになった。「広義の強制連行」という概念が登場し、「慰安婦の強制性」 といった表現も現れた。こうした傾向を、議論のすりかえと批判する向きもある:27。 本岡と国会で慰安婦問題を追及していた社会党の清水澄子は、当初は慰安婦について「女子挺身隊として強制連行された朝鮮の女性たちの問題」「国家総動員法に基づいて挺身隊(慰安婦)というのは徴用を受けた」 などと述べていたが、93年になると、政府が「(慰安婦に対する)強制」を否定しているとした上で、「強制」という言葉の定義を政府に問い質した。 ところで、政府は強制を立証する資料がないと表明しておられるわけですけれども、政府が考えられる強制というのはどのような内容でございますか。 — 第126回国会 参議院予算委員会、 この質問で清水は、「強制」という言葉は、本人の自由な意思に反してある種の行為をさせるという場合を含むという回答を政府から引き出した。後に清水は、「だましたり脅したりして本人の意思に反して慰安婦にした場合も、強制だとはっきり答弁」したこの時の政府答弁に矛盾するとして、吉田証言や河野談話に否定的な安倍晋三首相(第1次安倍内閣)を批判した。 本岡も、96年になると「強制連行」に代り「戦時性的強制」という言葉を用い始める(後述)。
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