弁慶に因むことば
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 16:09 UTC 版)
弁慶は古くから豪傑や怪力の代名詞として用いられており、それに因んだ様々なことばがある。 弁慶の立往生 義経が衣川の館を攻められた際、弁慶は並み居る敵兵を次々倒すが、ついには無数の矢を受けて薙刀を杖にして仁王立ちのまま息絶えたと伝えられている。ここから命を投げ出して主君を護っていた忠義の臣を表す。単に「立往生」と記した場合、進退窮まることの喩えに用いられる また、かつて民家で用いられた、藁などを束にして囲炉裏端に吊るし、串に通した魚や獣肉を刺して煙で燻製を作れるようにした道具も「弁慶」と呼んだが、これは藁束に大量の串が刺さっている様子を、弁慶の立往生に見立てたものとされる。 弁慶の泣き所 弁慶ほどの豪傑でもここを打てば涙を流すほど痛いとされる急所のこと。最もよく知られているのが脛(膝頭の下から足首の上まで)で、皮膚のすぐ下、骨(脛骨)のすぐ上を神経が通っている。他にアキレス腱や中指の第一関節から先の部分もこのように呼ばれる。 弁慶の七つ道具 弁慶が持っていたと伝えられる七種の武器(薙刀、鉄の熊手、大槌、大鋸、刺又、突棒、袖搦)から転じて、7個で一式のものを七つ道具と呼ぶようになり、「選挙の-」、「探偵の-」のような使われ方をされる。 内弁慶、外地蔵 「陰弁慶」「炬燵弁慶」とも。あるいは「内弁慶、外鼠」や「内弁慶」のみでも用いられる。身内の中では強気になって威張り散らすが、知らない相手には意気地が無くおとなしい人間のこと。転じて、特定の場面においてのみ威勢を張る様を以って「-弁慶」等と組み合わせて用いる。 弁慶ぎなた式 「ぎなた読み」とも。「弁慶が薙刀を持って刺し殺した」という文を「弁慶がな、ぎなたを持ってさ、し殺した」と区切りを間違えて読むこと。句読点の付け方(または息継ぎ)を変えると文章の意味も変わるということを示す例。「ここではきものをぬいでください」なども同様。
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