年次有給休暇の買取予約禁止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:10 UTC 版)
「年次有給休暇」の記事における「年次有給休暇の買取予約禁止」の解説
年次有給休暇の買上げの予約をし、これに基づいて第39条の規定により請求し得る年次有給休暇の日数を減じないし請求された日数を与えないことは、第39条違反である(昭和30年11月30日基収第4718号)。つまり、法律で付与されるべき年次有給休暇について、事前に買取の予約をすることによってその日数を減じないし与えないことは、禁止されている。法の趣旨はあくまで「現実の休暇の取得」であり、金銭による補償を行ったとしても年次有給休暇を与えたとみなすことはできない。 法定日数を超える日数を労使間で協約しているときは、その超過日数分については、第39条によらず労使間で定めるところによって取り扱って差支えない(昭和23年3月31日基発第513号、昭和23年10月15日基収3650号)ため、使用者が買取予約により消滅させることも可能である。 なお、法定日数分の年次有給休暇につき、労働者がその権利を行使せず時効や退職等の理由でこれが消滅するような場合、残日数に応じて調整的に金銭の給付をすることは、事前の買取と異なるため、法の趣旨からは外れるが、必ずしも禁止されていない。 年次有給休暇の買取をした場合、金銭の如何に係わらず給与所得にあたり、また社会保険料・労働保険料の算定にあたっては、賃金給与として算定の基礎となる。退職時に未消化の日数分を買取る場合は退職所得として計算する。買取額については一般的に労使で任意に定めることとなるが、金額は会社によってさまざまである。
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