年功序列制度の破綻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/30 04:05 UTC 版)
戦後に誕生した新卒主義は若者の雇用を助け、高度経済成長期に誕生した年功序列制度は人件費の増大を防ぎ、日本の経済の骨子として機能していたが、1991年のバブル崩壊を境に、このシステムは機能を失い始めた。 1991年の日本のバブル経済の崩壊により企業の業績は悪化した。それだけでなく、若い社員なら大量に雇っても人件費が安く済むという利点があった、勤続年数や年齢に応じて給与を決める年功序列制度は、逆にその大量に雇用した社員が年を重ねるにつれ、人件費が高騰してしまうという問題に直面した。 それまでは曲がりなりにも好景気だったため、高騰した人件費もなんとかやりくりがついていたが、不況への突入とともに状況は一変し、高騰した人件費の問題を解決する為に、企業の多くは人件費がかさむ中高年労働者をリストラし、高卒者の採用削減も行い始めた。 大卒の求人数についてはバブル崩壊後もあまり変わらなかった。しかし、高卒の求人の減少と若者の進学志向があわさり、大学などへの進学率が急上昇した。その結果、大学の卒業者数が急激に増えた一方で大卒の求人数は変わらなかったので就職率は減少した。
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