平成16年改正まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 00:17 UTC 版)
刑法典では、章構成から、立法当時は第一義的に社会的法益である「貞操」に対する罪として捉えられていたことは確かである。戦後においては、家父長制に親和性を持つ「貞操」保護の考えが後退し、代わって、「性的自由に関する個人的法益に対する罪」と講学上分類するのが一般的となった。この状況において、性別に関わらず有する「性的自由」を保護法益とするならば、客体を女性のみにするのは、貞操の意識を残した差別的取り扱いではないかなどの批判もあった。 政府・与党のプロジェクトチームは2003年9月25日に会合を開き、 強姦罪の法定刑を「2年以上の懲役」から「3年以上の懲役」に引き上げる(2年と3年の差は、執行猶予との関係で意味を持つことを期待してのものであり、3年を超えれば執行猶予がなくなる点で大きな差が生まれる。刑法25条参照。) 集団強姦罪を新設し、4年以上の懲役とする などを盛り込んだ、刑法改正案の検討に着手した。これは、自民党の元総務庁長官太田誠一が、与党3党の女性議員らに呼びかけて立ち上げたものである。 同9月30日の参議院本会議において、当時の内閣総理大臣小泉純一郎は、強姦罪の罰則強化と集団強姦罪の創設について理解を示しながらも、具体的方策については触れなかった。 その後、2004年(平成16年)12月の刑法改正で法定刑が引き上げられ、集団強姦等(第178条の2)の規定が設けられた(平成29年法改正で条文廃止)。
※この「平成16年改正まで」の解説は、「強制性交等罪」の解説の一部です。
「平成16年改正まで」を含む「強制性交等罪」の記事については、「強制性交等罪」の概要を参照ください。
- 平成16年改正までのページへのリンク