差別と苦悩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:23 UTC 版)
「アンナ・メイ・ウォン」の記事における「差別と苦悩」の解説
ウォンはその後、悪女、妖婦、メイド、売春婦、女奴隷等々、妖艶でミステリアスな東洋人女性を演じ、脇役ではあったが立て続けに映画に出演した。しかし、似たような役柄しか与えられないことに次第に苛立つようになった。 これは、当時の東洋人に対するイメージや偏見に加えて法の存在もあった。ウォンの一家は1855年からカリフォルニアに在住していたにも関わらず、法の上では「外国人」に位置づけられていた。カリフォルニアでは1948年まで、異なる人種の間の結婚や関係を禁止する法律があった。これにより、ウォンの演じられる役柄は、非常に限られたものしか無かった。この事をウォンは「中国人とイギリス人が演技でキスをしてはいけない理由がわかりません」とタイムに語った。また彼女の美貌や高身長に嫉妬し、軽蔑する人物もいたという。 一方で、当時の中国系アメリカ人社会は、ウォンの女優という職業と、演じる役柄に非難の目を向けた。ハリウッドでは外国人として扱われ、同胞からは異分子と見られ、ウォンはますます苦悩を深めていった。
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