展開溶媒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 03:27 UTC 版)
「カラムクロマトグラフィー」の記事における「展開溶媒」の解説
展開溶媒は欲しい化合物と他の化合物とのTLCの Rf 値が十分に分かれる条件のものを用いる。一種類の溶媒のみを使うこともあるが、一般にはいくつかの溶媒を混合して適切な Rf 値を達成するように極性を調整する。よく用いられる溶媒系はヘキサン-酢酸エチル、ヘキサン-ジクロロメタン、クロロホルム-メタノールなど。また、途中で混合溶媒の比率を変える(無修飾シリカカラムなどの順相カラムの場合は極性を上げる)ことで Rf 値の小さなものも流れてくるようになる。これを俗にグラジエントをかけるといい、目的物が拡散してしまう前に流出させて、分解能を保つ効果も期待できる。極性が同程度であっても用いる溶媒によってRf値は変わるので、分かれにくい時は別の溶媒系も試してみるとうまくいくかもしれない。
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展開溶媒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/26 03:59 UTC 版)
「薄層クロマトグラフィー」の記事における「展開溶媒」の解説
カラムクロマトグラフィー同様、試料に最適な展開溶媒を予測することは容易ではなく、通常溶媒極性の異なる有機溶媒を複数混合し最適なスポット分離をする溶媒組成を試行錯誤で探索することになる。 順相TLCではRf値と溶媒強度パラメーター(P)は正の相関関係があるのでそれを目安に混合溶媒を探索する。 溶媒Pヘキサン 0.0 ジイソプロピルエーテル 2.4 1-プロパノール 3.9 テトラヒドロフラン 4.2 酢酸エチル 4.3 2-プロパノール 4.3 クロロホルム 4.4 エチルメチルケトン 4.7 1,4-ジオキサン 4.8 エタノール 5.2 ピリジン 5.3 アセトン 5.4 酢酸 6.2 アセトニトリル 6.2 メタノール 6.6 水 9.0 なお、HPLC級溶媒以外では溶媒に安定剤が添加されていることに留意すること。たとえばクロロホルムだと0.3~1 %のエタノールが安定剤として含まれている。 また、テーリングする場合は、目的物と同じ置換基を持つ物質を「ごく少量」展開溶媒に加えると、分離が良くなることがある。例として、アミノ基の場合はトリエチルアミンやピリジン、カルボン酸ではギ酸や酢酸、ヒドロキシ基ならメタノールなど。
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