屈折率の値
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:59 UTC 版)
MKSA単位系あるいは国際単位系(SI)では、屈折率n は、真空中の光速度c を媒質中の光速度v(より正確には位相速度)で割った値で表される。 n = c v = ϵ μ ϵ 0 μ 0 {\displaystyle n={\frac {c}{v}}={\sqrt {\frac {\epsilon \mu }{\epsilon _{0}\mu _{0}}}}} ここでμ、εは材質の透磁率、誘電率 μ0、ε0は真空の透磁率、誘電率 吸収のある物質内では、複素屈折率の実数部が1より小さくなり、位相速度が真空中の光速度よりも大きくなる場合があるが、エネルギーや情報が位相速度で伝わるわけではないので、相対性理論とは矛盾しない。近年、フォトニック結晶などが作成されて、特定の周波数に対しては屈折率が負になる現象も観察されている。また、フェムト秒パルスレーザーなどの非常に強いレーザー光を用いると非線形光学現象が起こり、屈折率が光強度に依存するような現象も知られている。 いくつかの物質の屈折率は以下である(ナトリウムのD線・波長589.3 nmの光に対して)。 物質屈折率備考空気 1.000292 0℃、1気圧 二酸化炭素 1.000450 氷 1.309 0℃ 水 1.3334 20℃ エタノール 1.3618 パラフィン油 1.48 ポリメタクリル酸メチル 1.491 20℃ 水晶 1.5443 18℃ 光学ガラス 1.43 - 2.14 サファイア 1.762 - 1.770 ダイヤモンド 2.417 屈折率が高い素材ほど曲率が小さくて済み、レンズを薄くできるため、眼鏡用などに高屈折率素材を用いたレンズが開発されているが、高価で強度などに劣る欠点がある。伝統的な高屈折率眼鏡用レンズとして、屈折率が高く強度にも優れたサファイアが用いられることがあるが、当然ながら極めて高価である。
※この「屈折率の値」の解説は、「屈折率」の解説の一部です。
「屈折率の値」を含む「屈折率」の記事については、「屈折率」の概要を参照ください。
- 屈折率の値のページへのリンク