尿ウロビリノーゲン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 04:50 UTC 版)
「尿中一般物質定性半定量検査」の記事における「尿ウロビリノーゲン」の解説
ウロビリノーゲンは胆汁の抱合型ビリルビンが腸内細菌に代謝されて生成し、腸管から吸収され、尿に排泄される。閉塞性黄疸ではウロビリノーゲン排泄は低下、その他の黄疸(血中ビリルビンが上昇する病態)では上昇する。疾患のスクリーニングの手段としては感度が低すぎるため、現在は意義が低いと考えられる。 尿ウロビリノーゲン試験紙の検出感度は、0.1-1 mg/dL程度であるが、陰性の判定はできない。 ウロビリノーゲンが高値をとる場合ウロビリノーゲンが偽陽性となる場合ウロビリノーゲンが陰性となる場合ウロビリノーゲンが偽低値となる場合非抱合型ビリルビン産生亢進(溶血性貧血、内出血、など) 肝機能障害 熱性疾患 循環機能不全 腸内容停滞(便秘、腸閉塞) 生理的変動健常人のウロビリノーゲン排泄は、個人差も日内変動(午後2-4時に最大)も大きい。 肉食・運動・疲労・不眠・飲酒・アルカリ尿などで増加。 ウロビリノーゲンはサルファ剤、スルフォニルウレア、プロカイン、など多くの薬物で偽陽性となる。 試験紙法では陰性の判定はできないため該当せず。 閉塞性黄疸や抗生剤投与で尿中ウロビリノーゲンが減少するが、試験紙法では(±)が測定下限であり、陰性(−)は判定できない。 尿放置で分解。 ホルマリンや防腐剤の存在。 尿ウロビリノーゲンと尿ビリルビンの関係 尿ビリルビン陰性尿ビリルビン陽性尿ウロビリノーゲン増加非抱合型ビリルビン産生亢進(溶血性貧血など) 肝障害 抱合型(直接)ビリルビン排泄障害(Dubin-Johnson症候群など) 尿ウロビリノーゲンは増えていない(試験紙では陰性判定不能)健常人 血中非抱合型ビリルビン増加(ジルベール症候群、等) δ-ビリルビン増加(アルブミンと抱合型(直接)ビリルビンが結合したもの) 閉塞性黄疸など
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