小説の作風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 01:27 UTC 版)
音楽、自然といったものの形容力はプロとしても抜きん出た実力を持ち、鮮やかな情景を描く筆致に定評がある。読者の視点の調節も含め、鮮明な映像を想起させるという特徴がある。 人物ひとりひとりを立体的に描きだす筆力が高く評価されている。 視点は基本的に第三人称一元描写。 展開の技法はメタフィクション、時系列の入れ替えやどんでん返しなどを用いることがあるが、常ではない。 ジャンルは統一されていない。青春群像劇のほか、ハードボイルド、サイコホラー、サスペンスなどの要素も見られる。若者の成長の他、人間の葛藤や鬱屈を書くことが多い。 特定の神話や宗教を彷彿とさせる要素や展開がしばしば見られる。 サブカルチャー、料理、音楽、写真、花など加藤自身の知識や趣味嗜好が反映されることが多々ある。例えば二作目の『閃光スクランブル』には物語の要素として渋谷系サウンド、ピチカート・ファイヴ、野宮真貴、中村一義、アキ・カウリスマキ、過去のない男、8 1/2、植田正治、アンリ・カルティエ=ブレッソンなどが用いられている。六作目の『オルタネート』の料理対決シーンに出てくるメニューは加藤自身が考えたものである。 もともと小説よりも脚本を書きたいと思っており、物語の組み立て方は脚本学から学んだ。小説の展開や描写が少々映像的すぎると評されることがあるのはそのためだろうと分析している。
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