対応のある場合の平均値の差の検定
例題:
「10 人の被検者について,ある測定値を得た。同じ被検者に対して,1 年後にもう一度測定した。その結果を表 1 に示す。1 年間で平均値に差があったかどうか検定しなさい。」
被験者 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Xi | 269 | 230 | 365 | 282 | 295 | 212 | 346 | 207 | 308 | 257 |
Yi | 273 | 213 | 383 | 282 | 297 | 213 | 351 | 208 | 294 | 238 |
Xi-Yi | -4 | 17 | -18 | 0 | -2 | -1 | -5 | -1 | 14 | 19 |
R による解析:
> t.test(c(269,230,365,282,295,212,346,207,308,257), c(273,213,383,282,297,213,351,208,294,238), paired=T) Paired t-test data: c(269, 230, 365, 282, 295, 212, 346, 207, 308, 257) and c(273, 213, 383, 282, 297, 213, 351, 208, 294, 238) t = 0.5245, df = 9, p-value = 0.6126 alternative hypothesis: true difference in means is not equal to 0 95 percent confidence interval: -6.294229 10.094229 sample estimates: mean of the differences 1.9
対応のある場合の平均値の差の検定
例題:
「10 人の被検者について,ある測定値を得た。同じ被検者に対して,1 年後にもう一度測定した。その結果を表 1 に示す。1 年間で平均値に差があったかどうか検定しなさい。」
被験者 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
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Xi | 269 | 230 | 365 | 282 | 295 | 212 | 346 | 207 | 308 | 257 |
Yi | 273 | 213 | 383 | 282 | 297 | 213 | 351 | 208 | 294 | 238 |
Xi-Yi | -4 | 17 | -18 | 0 | -2 | -1 | -5 | -1 | 14 | 19 |
検定手順:
- 前提
- n ケースの,対応のある 2 変数を Xi,Yi,両者の差を di = Xi - Yi とする(i = 1,2,... ,n)。
例題では,n = 10,d1 = -4,d2 = 17,... ,d10 = 19 である(表 1 の 4 行目)。
- 以下の式で検定統計量 t0 を計算する。
例題では,t0 = 0.5245275 である。
- t0 は,自由度が n - 1 の t 分布に従う。
例題では,自由度は 9 である。
- 有意確率を P = Pr{|t|≧ t0} とする。
t 分布表,または t 分布の上側確率の計算を参照すること。
例題では,Pr{|t|≧ 2.262}= 0.05 であるから,P = Pr{|t|≧ 0.5245275}> 0.05 である(正確な有意確率:P = 0.612584 )。
- 帰無仮説の採否を決める。
例題では,有意水準 5% で検定を行うとすれば(α = 0.05),P > α であるから,帰無仮説を採択する。すなわち,「平均値に差があるとはいえない」。
対応のある場合の平均値の差の検定と同じ種類の言葉
検定に関連する言葉 | カイ自乗検定 分散の均一性の検定 対応のある場合の平均値の差の検定 Z検定 マンホイットニーのU検定 |
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