富士山における概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/02 01:36 UTC 版)
富士山の弾丸登山とは、五合目を夜間に出発し、山小屋に泊まらず、夜通しで一気に富士山頂を目指し、すぐに下山する登山形態」(0泊2日や日帰り登山)といわれる。 富士山弾丸登山の動機は、一般に、山頂で日の出(ご来光)を見るためとされる。だが、富士山のような高山で十分な休息の無い弾丸登山を行うと、身体が高度順応する余裕が無いため、高山病を発症しやすい。また、暗い夜間のうちの登山には事故の危険が多いと指摘される。あるいは、登山道の渋滞を招くこともある。 2011年夏、研究者の調査では、富士下山者の3割が弾丸登山だったという。同2011年、「富士山環境保全協力金協議会」が弾丸登山のツアーを自粛するよう、富士山ツアーを企画する旅行業界に求めた。次いで2013年6月5日、富士山が世界遺産に登録されるということで富士山が注目を浴び、登山者が増えることを予想して、山梨県と静岡県が富士山への弾丸登山の自粛を呼び掛けるよう、観光庁に文書で要請した。これについて、井手憲文観光庁長官は「リスクを負った登山は望ましくない」としている。 環境省などが運営する『富士山オフィシャルサイト』では、「安全で快適な登山を楽しむために、途中で1泊するようなゆとりある登山行程」を薦めている。 山梨県富士吉田市民俗博物館の文献調査によると、山名政胤の「富士山行記」(1709年(宝永6年))や浜松の武士・和久田寅の「冨岳雪譜」(1803年(享和3年))など江戸時代の資料から、日の出を見るための夜の登山は、山頂までは登っていないことが判っている。
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