実験材料「マルタ」と呼ばれた人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 07:41 UTC 版)
「731部隊」の記事における「実験材料「マルタ」と呼ばれた人々」の解説
元731部隊員の複数の証言によれば、人体実験の被験者は主に捕虜やスパイ容疑者として拘束された朝鮮人、中国人、モンゴル人、アメリカ人、ロシア人等で、「マルタ(丸太)」の隠語で呼称され、その中には、一般市民、女性や子供が含まれていたという。 マルタの人数は、終戦後にソ連が行ったハバロフスク裁判での川島清軍医少将(731部隊第4部長)の証言によると3,000人以上とされる。731部隊の「ロ号棟」で衛生伍長をしていた大川福松は2007年に、一日に2〜3体、多い時は1日5体を生体解剖したと証言している。犠牲者の人数についてはもっと少ないとする者もあり、解剖班に関わったとする胡桃沢正邦技手は多くても700 - 800人とし、別に年に100人程度で総数1000人未満という推定もある。終戦時には、生存していた40-50人の「マルタ」が証拠隠滅のために殺害されたという。こうした非人道的な人体実験が行われていたとする主たる根拠は、後述するいくつかの文書資料および元部隊員など関係者の証言であるが、証言の中にはソビエト連邦や中華人民共和国政府の捕虜となっていた時期に供述書として提供されたものもある(ただし全ての証言がそうというわけではなく、捕虜となった経歴が確認されない人物の証言もある)。このうち日本人捕虜の「認罪」過程については、中華人民共和国政府による洗脳として供述書の信憑性に注意すべきであるという指摘もある。
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